見上げればそこにある空。毎日のように予報を確認する天気。でも「雲の種類はどれくらいあるのか」「空が青いのはなぜか」「雷はどこに落ちるのか」「降水確率100%の意味は」など、現象の仕組みは意外と知らないのではないだろうか。そんな知識を易しく丁寧に解説した雑学本が人気だ。著者は気象庁で働く現役の研究者。『天気の子』『おかえりモネ』などの映像作品への協力や、Twitterでの精力的な情報発信でも知られている。
「現役の研究者の本ですから、知識の正確さには気を遣いました。雑学本の中には、『諸説ある』と言い訳をしてよりおもしろい説を掲載しているものも少なくないのですが、本書には科学的な根拠がない知識は載せていません。それでいて読者の興味を惹くにはどうしたらいいか、バランスには苦労しました」(担当編集者の川田央恵さん)
刊行前に内容を希望者に「先読み」公開し、読者の指摘を受けて読みやすさ、おもしろさの精度を上げた。小さな子供から大人まで、現在の読者層は幅広い。
「子供には少し難しい本格的なグラフも載せているのですが、それが知識欲を刺激して、むしろ好評に繋がった印象です。一冊で網羅的に知識を得ることができる本書をきっかけに、普段から空を観察する方が増えてくれたらうれしいですね」(川田さん)
2021年4月発売。初版7000部。現在12刷20万部(電子含む)