考えても仕方のないことは放っておくことで、「今」に集中して人生をより快適に過ごせるようになる、と語る本書がヒット中。
「著者にお会いした際、『最近SNSなどで目にする他人の言動が気になる』と相談したところ、『情報過多の現代は、いちいち気にしない、放っておく力が必要』と話してくださったことが企画のきっかけです」(担当編集者の鈴木純二さん)
曹洞宗徳雄山建功寺住職で、庭園デザイナーでもある著者が説くのは、禅的な生き方だ。
「『本来無一物(執着すべきことは何ひとつない)』など、禅の教えには余計なものを手放す、放っておく力を磨くヒントがたくさんあります。そのことをわかりやすく書いていただきました」(鈴木さん)
1項目につき1見開き展開、右ページには、「『わからない』ならもう考えない」、「人生には『幸も不幸もない』」といった見出しを、左ページには解説を掲載。1項目1分程度で、どこからでも気軽に読める。
禅の教えがベースになっているが平易な表現で読みやすいこともあり、発売直後から好調に売れ、幅広い年齢層に受け入れられた。
「コロナが発生する前に企画した本でしたが、コロナ禍において、人との距離やつながりを考えさせられたことも、この本のニーズが高まった理由の一つだと考えています」(鈴木さん)
2021年5月発売。初版1万8000部。現在12刷9万7000部(電子含む)