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連載文春図書館 ベストセラー解剖

日本の組織で対話や多様性が実現できない原因は…? チームでの働き方を高める“重要概念”

『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介 著)――ベストセラー解剖

2021/09/01
『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介 著)日本能率協会マネジメントセンター

 チームでの働き方を高める重要概念として注目を集める「心理的安全性」。本書は、日本の組織の実態に即した形で、それを実現する方法を理論的かつ実践的に紹介した本だ。

「対話や多様性の必要が叫ばれながらも、日本の組織ではなかなか実現できていません。これは議論のスキルを学んでいないことも原因の一つだと思うのですが、私はそれ以前の段階に阻害要因を感じていました。それが心理的安全性だったんです」(担当編集者の山地淳さん)

 組織やチームにおいて罰や不安のない状態が、心理的安全性であり、それが学習を促進して生産性を上げる。著者はこうした第一人者の定義をもとに、日本の組織にフィットする行動指針として、話しやすさ、助け合いなどの因子を作ることが心理的安全性を促すと分析し、そのための処方を示す。

「会社の人事部やマネジャー、ITの方々を最初のコアターゲットに考えていましたが、違う層にも潜在的な読者がいそうだと感じていました。実際、家庭内でも使える発想だという声をいただいています。また、医療、保育、学校関係など、率直に発言できないと命に関わることもある現場からの反響も。時代の要請として、心理的安全性が多くの場で強く求められていることを痛感しています」(山地さん)

2020年9月発売。初版4000部。現在14刷7万部(電子含む)

心理的安全性のつくりかた

石井 遼介

日本能率協会マネジメントセンター

2020年9月1日 発売

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