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連載文春図書館 ベストセラー解剖

かぼちゃの煮物は「紹介する必要ある?」平野レミの次男と結婚、和田明日香が10年かかってたどり着いた“地味ごはん”

『10年かかって地味ごはん。』(和田明日香 著)――ベストセラー解剖

2021/09/08
『10年かかって地味ごはん。 料理ができなかったからこそ伝えられるコツがある』(和田明日香 著)主婦の友社

 料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ねて料理家となった著者が、自宅でよく作るレシピを紹介した本書が大ヒット中。

「和田さんは結婚するまでキャベツとレタスは同じ葉っぱだと思っていたそう。マイナスからスタートした彼女だからこそ、コロナ禍で自炊が増え、毎日のごはん作りを苦しく感じている人に寄り添える本になったのでは、と思います」(担当編集者の宮川知子さん)

 肉じゃがなどの定番おかずや、「野菜は肉の3倍食べる」という和田家の家訓に従った野菜料理など、くり返し作ってきた味は、どれも色味が茶色っぽく見た目が地味なものばかり。明るく元気な著者とのイメージのギャップが面白い。

「かぼちゃの煮物など、どの家庭でもよく作る地味おかずは、撮影前日まで『わざわざ紹介する必要ある?』と迷っていたそうです。でも、撮影しながら、『試行錯誤してたどり着いた、自分の歴史が詰まった愛おしい味だと思った』と話してくれました」(宮川さん)

「作る? 作らない? ポテサラ」などユニークな料理名とミニコラムから、飾らない人柄が伝わってくる。

「レシピは友だちに教える感覚で書かれた話し言葉で、料理ビギナーにもわかりやすくなっています。楽しんで作り、自分の味に育ててほしいという著者の思いが大勢の読者に届いていると感じています」(宮川さん)

2021年4月発売。初版2万9000部。現在13刷14万2500部

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