文春オンライン
「死んだ犬は弁当ゴミと一緒に処理」「餌は2日に1回、水は川から」…元従業員が告発 悪質ペット繁殖業者逮捕《ペットブームで飼育頭数は2倍強に》

「死んだ犬は弁当ゴミと一緒に処理」「餌は2日に1回、水は川から」…元従業員が告発 悪質ペット繁殖業者逮捕《ペットブームで飼育頭数は2倍強に》

#1

genre : ニュース, 社会

note

動物をおもちゃのように扱っていた

――他にもアニマル桃太郎では動物を飼っていたのでしょうか。

A子 売り物の犬と猫の他には、鶏、ウサギ、ハムスターも飼っていました。犬と猫以外は売るためじゃありません、百瀬の趣味です。ハムスターは1つの衣装ケースの中に200匹ぐらい飼っていました。餌の管理もろくにやらないので、共食いがひどかったですね。ケージの中には骨になった死体や、下半身を食いちぎられて呻いているハムスターもいました。

 鳥もカメレオン用の飼育ケージに入れて2000羽ぐらい飼っていましたよ。オカメインコ、セキセイインコ、ジュウシマツ、マメルリハとか。40~50羽ずつケージに入れられていて、それが何十個もありました。

ADVERTISEMENT

 百瀬は動物が嫌いというよりも、コレクター趣味というか、おもちゃのように動物を扱っていた印象が強いですね。子供がプラモデルを集めて部屋に飾ったりするじゃないですか? あの心理に近いのだと思います。

劣悪な環境で多くの犬たちが飼育されていた FNNプライムオンラインより

動物の命を、命だとは思っていない

――プラモデル…命の扱いが雑、ということでしょうか?

A子 そうですね。例えば、ペットオークションで売れ残った猫を2000円ぐらいで買ってきて、「ネズミ捕りだ」といって犬舎のある山に放っていました。大人になるまでは一応育てますが、マンチカンなど自然界で生きるのが厳しそうな弱々しいペット猫も多かったので、全部死んだと思います。雨が降った後に水たまりの水を飲んでいる姿を見たことはありますが、それ以外は姿を見たことはありません。イタチやトンビに食べられてしまったのか、死体を見たこともないです。

 また、ペットとして人気の純血種の小型犬は、どうしても奇形が多いんです。オスは奇形が産まれれば、売れないのでほったらかしにされてすぐに死にますが、メスは奇形でも子供が産める。だから繰り返し出産させて、もう産めないとなったら『引き取り屋』に売り払う。子犬のオークション会場にいくと、少額の金で『不要』になった犬を引き取り、劣悪な環境で徐々に弱らせて死なせるような業者がいるんです。ちなみに私が引き取ったメス犬はぼろぼろで老犬かと思いましたが、獣医師によると6歳ぐらいとのことでした。出産しすぎて栄養を子供にとられ、歯がほとんど抜けていて、残った歯もボロボロでした。本当は全部引き取りたいぐらいでしたが…。

 繰り返しますが、百瀬は犬や猫が嫌いというわけではないと思います。イライラしていても無闇に蹴ったり殴ったりするといった虐待は見たことがありませんし、何か嫌がらせをするということもない。ただ、動物の命を、命だとは思っていないということです。(#2に続く)

「死んだ犬は弁当ゴミと一緒に処理」「餌は2日に1回、水は川から」…元従業員が告発 悪質ペット繁殖業者逮捕《ペットブームで飼育頭数は2倍強に》

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー