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2021/12/11

source : 文藝春秋

genre : ニュース, 皇室

小室眞子さんの態度とは異なる

 戦後の象徴天皇制の展開は、数多く創刊された週刊誌の発展とも軌を一にしており、週刊誌には多くの皇室記事が掲載された。そこには美智子皇后や雅子皇太子妃に対するバッシングとも言えるような記事も書かれるなど、プライバシーを含めて様々な問題点が指摘されてはいるが、一方で戦後の皇室イメージを形成し国民に定着させたのも週刊誌であった。秋篠宮はそうした経験を知っているからこそ、週刊誌の公論としての意義に一定程度の理解を示したのだろう。これは、結婚後の記者会見や回答文書のなかで、週刊誌もネットもまとめて「誹謗中傷」という形で捉えうるように述べた小室眞子さんの態度とは異なる。

2020年1月、新年一般参賀での秋篠宮ご夫妻と眞子さま(当時)、佳子さま ©文藝春秋

 先ほど述べたように、週刊誌とともに歩んできた皇室の、その一員である秋篠宮はその効用の部分についても充分に実感しているのだと言える。だからこそ、虚飾混じる記事については、戸惑っていることも正直に告白したのだろうと考えられる。週刊誌の意味をも理解しているがゆえに、今回の問題における週刊誌の報道には疑問を持ったのではないか。

象徴天皇制全体への影響を食い止めようと

 一方で、ネットの書き込みについてはかなり厳しい。「中には確かに相当ひどいことを書いているのもあるわけですね」と述べ、「今そのネットによる誹謗中傷で深く傷ついている人もいますし、そして、またそれによって命を落としたという人もいるわけですね」と答えている。ここでは眞子さんが使った「誹謗中傷」という言葉を使っている。その意味では、雑誌に対する捉え方とはかなり異なっている。

 しかし、この場合、眞子さんや自身を含む秋篠宮家に対する問題とは言わず、「傷ついている人」「命を落としたという人」という形で、現代社会において一般的に顕在化しているネット社会の問題にスライドさせるなど、配慮を見せている。ここも、眞子さんの言及とは異なる態度であった。

記者会見に臨まれる秋篠宮さま 宮内庁提供

 以上のような秋篠宮の態度は、結婚をめぐって賛成派・反対派が生まれ、それが象徴天皇制全体に波及しつつあることを食い止めようとする皇嗣としての立場から生まれたものであったと言えるかもしれない。分断する象徴天皇像をなんとか元に戻そうとする意思がそこにはあったのではないだろうか。