「アンブレラ」の乙女感と甘酸っぱさ
だからこそ2002年、飯田圭織と矢口真里、加護亜依の3人が抜けるメンバー変更が発表されたときは「なぜ?」と驚いてしまった。しかし、第3期タンポポ(石川梨華、柴田あゆみ(メロン記念日)、紺野あさ美、新垣里沙)の楽曲「BE HAPPY 恋のやじろべえ」も、聴いてみればキャッチーな良曲。
2009年に結成された亀井絵里 (モーニング娘。)、光井愛佳 (モーニング娘。)、熊井友理奈 (Berryz工房)、岡井千聖 (℃-ute)によるタンポポ#の楽曲「アンブレラ」の乙女感、甘酸っぱさは、歴代タンポポに負けていない。
最近こんなことがあった。ある仕事でソーシャルディスタンスのため、長い机の端と端に座りながらの打ち合わせ。しかしひょんなことからハロプロの話になり、その方が「アンブレラ、名曲っすよね……」と呟いたのである。私は思わず机を蹴り倒して駆け寄り、握手を求めそうになった。
願わくば、またタンポポの名を引き継ぐユニットが出て、乙女感全開のオリジナル曲が生まれればいいな、と思う。
「どこにだってある花だけど」
さて、ここしばらくハロプロは卒業が続いている。11月15日にはアンジュルムの笠原桃菜、11月24日にはJuice=Juiceの金澤朋子。そして12月13日にはモーニング娘。’21の佐藤優樹が卒業した。
卒業は新たなスタートでもある。彼女たちはまた新たな地で花を咲かせるのだろう。
寂しい。寂しいけれど、素晴らしい。素晴らしいけど、やっぱり寂しい。この揺れ動き、まさに気分は、やじろべえの如しである。ファン心理は複雑だ。
わたぼうしのように時代に乗り、新天地に飛んでいく人。ハロプロで厳しいレッスンと地道な努力をし、才能を開花させている現メンバー。そして12月12日には、ハロー!プロジェクトの新グループ名称「OCHA NORMA(オチャ ノーマ)」が発表され、蕾もどんどん顔を出している。
「どこにだってある花だけど 世界中に夢を運ぶわ」
タンポポの3rdシングル「たんぽぽ」のこの歌詞は、まさに彼女たちの姿そのもの。そして笑顔を浮かべ頑張る人、誰にだって当てはまる。
なんだか、クリスマスソングを集めていただけのはずが、胸が熱くなってきてしまった。
アイドルと音楽は、思わぬタイミングに思わぬ踏ん張る力をくれる。
風が吹いても、負けないのよ!