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《内閣官房参与辞任》石原伸晃の「ナマポ発言」、高木毅の「パンツ泥棒」…岸田人事がほじくり返した“過去”とは?

2021/12/14
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 石原伸晃氏、内閣官房参与を辞職。

 こないだ選挙に落ちたばかりだというのにこれだけ短期間に1人で「殉職」しまくる石原軍団も珍しい。

 私は以前から「この10年間の政界を動かしているのは石原伸晃である。ただし本人の知らないところで」説を唱えていました。おさらいします。

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石原伸晃(左)、良純、父・石原慎太郎の写真を背景に ©文藝春秋

 まず2012年の自民党総裁選。当初「本命」とも言われたのは石原伸晃氏でした。しかし失言などで失速。逆転で当選したのは安倍晋三氏。「安倍一強」の流れをつくった石原伸晃。

れいわ新選組の礎もつくった伸晃

 そのあとの衆院選、遂に父親の石原慎太郎(東京都知事)が国政復帰を表明。伸晃がピリッとしないから第3極の波が起きた。今の維新にも連なる流れをつくった石原伸晃。

 自分の選挙区(東京8区)には俳優の山本太郎が「打倒石原伸晃」を宣言して出馬。その1年後に山本氏は政界入り。れいわ新選組の礎もつくった石原伸晃。

山本太郎 ©文藝春秋

 圧巻は2016年東京都知事選だ。小池百合子が立候補して自民党東京都連にケンカを売った。当時の都連会長は石原伸晃。伸晃ら相手のケンカで人気を得た小池は翌年「希望の党」騒動を起こす。その流れで立憲民主党や国民民主党が生まれた。石原伸晃が大事な働きをしていた。本人の知らないところで。

比例復活もできない惨敗のはずが…

 そして先日の衆院選である。東京8区に山本太郎が石原伸晃へのリベンジで出馬を宣言するも吉田晴美に一本化すべきではないのかと論議が高まった。「野党共闘」を巡り一気に注目選挙区となったのだ。伸晃すごい!

 この選挙で石原伸晃は比例復活もできない惨敗。しばらくその姿を見ることはないだろう。「伸晃天動説」は封印のはずだった。ところが……。