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サルに眼鏡を奪われて…

――番組ではこれまで、南米スリナムやガイアナ、タイ、ベルギー、エジプト、奄美、瀬戸内などに行かれていますが、とくに印象に残っているエピソードは?

篠原 国ごとにいろんな思い出がありますね。スリナムでオセロットというヤマネコの赤ちゃんを抱っこしたり、ガイアナでウナギイヌみたいなオオカワウソの兄弟に長靴を齧られたり……。タイでは人口よりサルが多いロッブリーという町を訪ねたんですが、価値のあるものが理解できるサルたちに襲われてメガネを奪われました。海外で1本しか持っていないメガネを失うって恐怖じゃないですか。ようやく取り返したら、フレームが広がってしまって、現地のメガネ屋さんで修理してもらったら、調整がうまくてめちゃくちゃフィットしました。サルのおかげで結果的に良いメガネを手に入れるという(笑)。エジプトでは50年に一度の砂嵐と大雨が一気にきたんです。エジプトは基本的に大雨が降らないから排水溝がないので、水が溢れてどこでもナイル・クルーズができるみたいな状態になって……。

©橋本篤/文藝春秋

日本国内という制約がある中での番組作り

――いろいろと貴重な体験をされましたね。今日もゾウムシ柄のすてきなシャツを着られていますが、番組でも毎回、昆虫や動物がモチーフの衣装を身につけていますよね。

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篠原 ミステリーハンターとして7回目に出た瀬戸内編からはスタイリストさんがついたのですが、それまでは自前の服です。瀬戸内編では衣装として用意してもらったロングのワンピースを着て、小豆島の醬油蔵を訪ねました。立ち並ぶ巨大な醬油樽の上に人が一人通れるくらいの細い通路があって、そこを歩いたんですが、あのときは緊張しましたね。借り物の衣装を汚す恐怖もありましたが、それ以上に「自分が樽に落ちて醬油に混入してしまったら大変なことになる!」と思って。

よし、わかった! いきものミステリークイズ

――コロナ以降は、世界へ行けなくなって、国内の取材だけになってしまいましたね。

篠原 日本国内という制約がある中で、切り口勝負でたくさんアイデアを出して面白い番組作りをされているので、スタッフの皆さんはすごいなと思います。世界にいる現地のミステリーハンターさんと映像を繋げたり、「知恵を絞って番組を作られているんだな」というのが伝わってきますね。

――篠原さんがミステリーハンターをされた中にも、「江戸の生き物」というすごい切り口の回がありましたね。

篠原 そうですね。時空を移動しましたから(笑)。

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よし、わかった! いきものミステリークイズ

篠原 かをり ,田中 チズコ

文藝春秋

2022年1月27日 発売