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買物客が特別感を感じられる営業形態
木内には定休日がある。シフト制にしないのは「いつ行っても同じ従業員がいる安心感」からという話だ。
以前は毎週木曜日であり、それにあわせて周りの店も木曜日休みにしていたほどだとか。しかしいつしか水曜、木曜休みになり週休2日制に。さらに最近では水木に加え、日曜日までも定休日になってしまった。
さらに営業時間は10時から17時までという限られた時間というのも、訪れるものに特別感と緊張感を与える。
美しい店内に思わず背筋が伸びる
ワックスがかけられピカピカに磨かれた床、突き当りが見えないほど長い通路、天井にも壁にも多種多様の照明が光り、鏡の柱でさらに明るさが増幅。広い店内を歩くだけで背筋が伸び、優雅な気分に浸ることができる。
かつては床がフカフカの絨毯敷きで、踏み面の広い階段が上階へと続いていたという。
化粧室にはパウダーコーナーも完備され、三面鏡の横には生花が添えられているなど、今でもところどころに気品を思わせる演出を感じることができる。
従業員の方々は全員紺色ひざ下丈のジャンパースカートに身を包む。お客もミセスなら従業員もミセスと聞いていたが、実際はミスからミセスまで秋田美人は幅広くいらっしゃる。
さらに今では珍しく、百貨店内で働く全員が木内の従業員なのだ。
というのも、現在の百貨店はほとんどテナント頼りで、家賃と一部売上をいただくことで百貨店が成り立っているのだが、本来百貨店とは、百貨店が仕入れ、百貨店の従業員が販売していた。
木内では今でも、木内が仕入れ、木内の従業員が販売している。
さて、今回最大の目的は「お釣りがピン札」を確かめることだ。そのためにはなんとしてもなにかを買わなければならない。