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いざ、商品を購入!
広い店内をぐるぐる回り品定めをする。衣料品がフロアの大半を占め、下着やタオル、帽子やハンドバッグなどが並んでいる。売っているものは高級品ばかりと聞いていたが、たしかにブランド物が多く、「安くはない」といった印象。もちろんかわいいハンカチやオシャレな傘など、手頃で実用的なものもたくさんあるのだが、今回は少しかさばったもの、かつ、家まで持って帰れるものでなければならない。なぜなら木内の包装紙で包んでもらい、紙袋に入れてほしいからだ。
悩んだ挙げ句、(化粧品といえば!)資生堂のコーナーで、値段もサイズもちょうどいい石鹸の詰め合わせを買うことに決めた。
「これください!」
「千円でございます。」
噂は本当だった……
表示価格以上の請求もなく、税金なしの千円だ(実際は内税になっているとのこと)。
お釣りをもらいたいがために1万円札で支払うと、返ってきたお釣りが本当に全部ピン札だ…! よく見るとやはり、すべて通し番号で揃っている。
そして、図々しくも包装と紙袋もお願いすると、丁寧に包んでくださった。
商品をいただき改めて手に取ると、安堵と達成感で満たされ、店内の高価そうなソファに腰を下ろした。
とにかくもてはやされたという包装紙と紙袋は、今見ても相当オシャレなデザインである。美しく一点留めされた名入りのテープは、キレイに木内のロゴと名前が入る位置でカットされており、細かいところにまで品格を感じる。
秋田の人々はどんな気持ちでここを訪れていたのだろうか、どこになにが売っていたのだろうか。キラキラと輝く照明を眺めながら、当時の木内の様子に思いを馳せた。