「28ページの文書」で動き出した事態とその“結果”
最終的には、2021年4月に小室圭さんが28ページにわたる文書を発表し、いわゆる金銭トラブルについて説明をしたことで、事態が動き出す。そして、2人は結婚することとなった。冒頭の言葉は、様々な報道を経ても、自らの意思を貫徹させた小室さんが、世間に対して発したものであった。
小室眞子さんの複雑性PTSDに関する発表もあり、報道に対する批判や2人の結婚を擁護・応援する意見も出るようになった。ただし、結婚後も批判の声は止んでいない。その意味では、この問題に関する人々の意見は割れているかのようである。
小室さんの「対極」にあった“天皇の言葉”
一方で、2021年の皇室では、人々の分断を統合しようとする動きも見られた。西村宮内庁長官の「拝察」発言に端を発した、天皇の動きである。東京オリンピック開催をめぐって、反対の声が強まった。「拝察」発言は、政府が進めようとした有観客開催に対して天皇が懸念を示していることを示し、反対派への配慮を見せたものであった。その後、感染状況もあって多くの競技が無観客開催となる。
そして、天皇は開会宣言で「祝う」ではなく「記念する」と述べた。これも、反対派への配慮だろう。一方で、開会宣言をすることは賛成派にも配慮を示すことにつながる。天皇は分断するオリンピックへの世論に対して、どちらに対しても気を配ったのである。それは、自ら統合する天皇の姿であった。
こうした天皇のあり方に対して、人々は支持しているように思われる。それは、「公」を重視しているように見えるからだろうか。小室眞子さんとは対比的に捉えられているようにも思われる。
平成期に「反転」した“秋篠宮家評”を振り返ると…
ただし、平成のある時期、皇太子一家(現在の天皇・皇后)はそのあり方をめぐって批判を受け、むしろ秋篠宮家への人々の支持は高かった。現在とは、シーソーゲームのように逆転しているかのようである。
その意味では、人々の移り気は早く、何がきっかけでそのような状況になるのかはわからない。来年以降も皇室をめぐる状況に注視していく必要があるだろう。