《被告曜子が被告B(同)と不貞行為を行っていたというのは単なる原告の思い込みにすぎない。(中略)原告が思い込みで断定的な主張を繰り返していることは明らかである》
さらに一連の騒動がひときわ注目を浴びるきっかけのひとつにもなった、熊田が所持していたとされる性玩具「ウーマナイザー」について触れたであろう部分にも興味深い記述がある。
性玩具「ウーマナイザー」を巡る“DNAバトル”
《被告曜子は被告Bと不貞行為を行ったことはないのであるから、被告BのDNAとの同一性が確認されるということはあり得ない。仮に、そのような鑑定結果が存在するとすれば偽造など恣意的に作出されたもの以外に考えられない》
これについては補足説明が必要であろう。ここで触れている《鑑定結果》とはA氏が熊田のマザーバッグ内にあったとされるウーマナイザーの付着物について調べたものを指す。
A氏は「この付着物が、男性の精液で、ここから検出したDNAがB氏のDNA型と一致した」という趣旨の主張を展開している。そして、この鑑定結果について熊田とB氏との「不貞の証拠」として裁判所に提出する意向を示していた。
熊田の反論はこうだ。
精液のDNAは一体誰のものなのか?
《原告は(中略)ウーマナイザーのヘッド部分から精液が付着していたことが判明し、この精液に含まれていたDNAと被告BのDNAの同一性が確認されたと主張しているが、これらの鑑定結果を示す鑑定書その他資料は証拠として提出されていない。したがって、原告に対し、本ウーマナイザーのヘッド部分から精液が検出されたとする鑑定書及びその精液のDNAと被告BのDNAが一致するとの鑑定書を提出するよう求める》
熊田はさらにこう付言し、A氏を牽制する。
《DNA鑑定をするためには比較対照するためのサンプルが必要になるが、原告が行った鑑定に使用した被告BのDNAサンプルは何であるか、またそれをいつ、どのように採取したか明らかにされたい》
泥沼の民事裁判の鍵を握るのは、どうやらこの「DNA鑑定」をめぐる攻防になりそうだ。注目の第2回口頭弁論は来年1月13日に開かれる。