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ファンクラブ会費で悠々自適な“辞めジャニ”

〈ジャニーズを辞めたら、日本の芸能界では食っていけなくなる〉

 この不文律は長らく芸能界の“常識”だった。2019年に公正取引委員会から、元SMAPの稲垣吾郎(48)、草彅剛(47)、香取慎吾(44)のテレビ出演に関して、圧力をかけた場合は独占禁止法違反になると指摘されたが、テレビ局やレコード会社に対してその力はいまだ弱まっていない。明に暗に、ジャニーズタレントの出演拒否をチラつかせるという手段もある。

 しかしながらこれを打ち破ったのが、同じく元KAT-TUNの赤西仁(37)だ。赤西は2014年にジャニーズ退所後、米国での俳優活動を目指したがいまだ軌道に乗っていない。それでも、ハワイでのんびり子育てをするなど、生活に困った様子はない。

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赤西仁(本人のInstagramより)

「赤西こそ“辞めジャニ”の未来に明かりを灯した先駆者です。赤西はネットを通じて3万人のファンクラブ会員を集めた。年会費が5000円とすれば、何もしなくても1億5000万円という金が定期的に入ってくる。

 赤西よりも圧倒的にジャニーズへの貢献度が高く、人気、知名度も上だった光GENJIの諸星和己(51)でさえ、辞めた後は年会費2000円のファンクラブに集まったのは1万人でした。赤西は“IT時代の辞めジャニ”の申し子です」(同前)

 赤西の成功で辞めジャニも戦略と実力次第では収入を維持し、さらに押し上げることも可能だと証明されたのだ。そして赤西と同じく、ファンクラブ会費で悠々自適なのが、2019年9月に脱退した元関ジャニ∞の錦戸亮(37)だ。

錦戸亮(本人のInstagramより)

「錦戸は辞める約1年前まで、2019年1月期の連ドラ『トレース』(フジテレビ系)に出演するなど、仕事は順調でした。しかしジャニーズ脱退といういばらの道を選んだ。それは仲がいい赤西の現状を見て『やっていける』と確信したからです。

 実際、昨年は武道館コンサート、今年はライブツアーを開催。ジャニーズを辞めた影響を感じさせません。テレビへの露出こそ減りましたが、元々のファンにとっては何の影響もありません」(レコード会社関係者)

渋谷すばる“アーティスト志向”は難航

 しかし、順調な錦戸とは対照的に、もがいているのが関ジャニ∞時代はツインボーカルを務めていた渋谷すばる(40)だ。

「渋谷は素行が悪いわけでもないし、金銭的に欲をかいたわけでもない。純粋に音楽を追究したいと言って2018年12月にジャニーズを辞めました。その“アーティスト志向”は年々強硬になっていて、今年8月に渋谷の判断でライブを中止したり、9月にシングルCDを発売したのに『取材は受けない』と言い張ったり。アイドル扱いされたくないということなのでしょうけど……。

 こう言ってしまうと気の毒ですが、元からのファンを含めて、ジャニーズタレントに高い音楽性を望む人は少ない。それよりも本人が持つタレント性を押し出した活動を見守りたいんです。かつてのファンも年齢を重ね、仕事や家庭で忙しくなっている。先行きは苦しいでしょうね」(テレビ局関係者)

 赤西、錦戸、渋谷は芸能界の権力構造に依存することなく、新しい世界でしのぎを削っているのだ。