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じつは「ハリポタ」の監督も同じ人。彼の頭によぎったものは…

 本作の監督はクリス・コロンバス。20代でスピルバーグに脚本を売り込み、『グレムリン』『グーニーズ』の脚本を手がけ、今年20周年となる映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)と第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を監督した。

 コロンバスは『ホーム・アローン』と同じように「ハリー・ポッター」シリーズでも子役(ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント)をキャスティングしているが、製作に回ったシリーズ3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)の撮影終了時には「3人はシリーズを降板するだろう」とインタビューで語っていた。

 理由は思春期に差し掛かったキャストのキャリアを危惧したものだが、もしかするとコロンバスには3人とマコーレー・カルキンのキャリアが重なって見えたのかもしれない(3人はその後もシリーズすべてに出演した)。

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2004年5月6日、始球式を行うマコーレー・カルキン(当時23歳)©AFLO

「25年後にこの映画を見た人でも、まるで昨日作られたかのように感じられる映画」

 クリス・コロンバスは『ホーム・アローン』を製作する際に、「25年後にこの映画を見た人が時代遅れの映画と感じないように、まるで昨日作られたかのように感じられる、時代を超越したものにしたい」と語った。また本作の普遍性はコロンバスの手腕もさることながら、脚本のジョン・ヒューズに拠るところも大きい。

 8歳の少年が大人を介さず世の中に触れることの大きな興奮。うるさい大人や兄たちがいなくなり、カウチに座りながら好きなだけアイスを食べ、暴力的なノワール映画を鑑賞する自由。

 そして有名なシェービングローションの刺激で叫ぶシーンや、髪をとかしながら櫛をマイク代わりにドリフターズ盤の“ホワイト・クリスマス”を口パクするシーンなど(とても大好きなシーンだ)、子どものリアルな憧れや好奇心が『ホーム・アローン』には満ちている。また「いつもぼくだけ叱られる!」とケビンが母に文句を言うのも、兄弟のいる子どもにとっては「わかる!」と思わずにはいられないだろう。

作品誕生のきっかけは「旅行前の持ち物リストアップ」

 当時のヒューズは『ブレックファスト・クラブ』や『フェリスはある朝突然に』といったティーン映画の監督として名を上げ、本作の脚本執筆当時には10代の息子と娘がいた。

 あるときプライベートでバカンスに出かける際に、持ち物をリストアップしていて「こどもを忘れてはいけないな」と思ったのをきっかけに、10歳の息子を家に置いていったら彼は何をするのだろうか?と考え、本作のプロットを思いついたという。「いつもぼくだけ叱られる!」というセリフも、ヒューズ自身が子どもの頃に両親に言った言葉なのだとか。