亡くなる前日に書いていた手紙
娘の変化を感じながらも、多感な時期にある悩みだと認識していた両親。だが、思い返すと、亡くなる前日にいつもとは違う兆候があったという。普段はリビングにいて、家族でテレビを見たりしてくつろぐことが多かったという準奈さんだが、その日、準奈さんは夕飯後にリビングのこたつでひとり手紙を書いていた。その姿に違和感を覚え、母親が近寄ると準奈さんはパッとその手紙を隠す仕草をしたという。母親が続ける。
「私が『どうしたの?』と聞いたら『友達に手紙を書いているの』と言いました。最近、友達に手紙は書いてないのにおかしいなと思ったんですけど、その時はそれ以上追及せずに21時過ぎくらいに寝かせました。でも、夜中にやっぱり気になって、朝、パパが仕事へ行った後に『学校で何かあったの?』と娘に聞いても『ううん。大丈夫』というだけでした。翌日には家族でカラオケに行く約束もしていたのに……。
亡くなった日、娘はいつもより2、3分ほど早い午前7時10分頃に家を出ました。部活の用意を家に忘れていたので呼び止めると、『忘れたー』と戻ってきて、いつも通り出ていったのです。玄関からせっちゃんを見送るのが日課となっているのですが、あの日はずっと手を振っていて、最後、見えなくなる前にもう1度振り返って私のほうを見たのです。後からわかったのですが、前日に書いていた手紙が遺書だったのです」(母親)
母親に手を振って別れてからわずか40分後、準奈さんは学校へ到着すると誰もいない教材室で体操着に着替え、自ら命を絶った。#2では、事件後に警察から知らされたイジメの事実、学校が隠蔽したアンケート調査について遺族が告白する。
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