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 実際に、10回以上受験しても合格できないケースもあるという。そのため事実上、試験免除となる国の免許を持っていない場合には、「教習所から取り直し」となることが多いようだ。教習所によっては免許切り替えのための専用コースが用意されており、数時間の教習によって対策を行うこともできるが、日本に来て間もない状態で、適切なサービスを見つけることは容易ではないだろう。

「全部の国の数を合わせても日本の数の方が多い」

 また、いざ日本の道路に出ても、ローマンさんを驚かせた「意外なもの」があった。

カーブミラーの数は日本がダントツに多いと語るローマンさん ©iStock.com

「カザフスタンやロシア、アメリカにも住んでいましたが、その全部の国のカーブミラーを合わせても、日本のミラーの数には負けると思います。日本のカーブミラーは好きです、とても便利!」

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 なるほど言われてみれば、駐車場の出口やT字路、峠道をはじめ、運転していてミラーに助けられる場面は非常に多い。見通しの利かない交差点やカーブが多い道路事情に加え、国や地方自治体によるインフラ整備が比較的行き届いていることも背景としてあるのかもしれない。

 ちなみにローマンさんの動画内では、ロシアの「道の酷さ」がしばしばネタにされている。

日本の道路は「この道は通れるかな、と心配する必要がありません」という。荒れた道路に「ロシアの道路にならないでください」と語りかけるローマンさん(YouTubeより)

「日本は『道を信じられます』。知らないところに行くときにも、この道は通れるかな、と心配する必要がありません。ロシアでは、行っても道路がなくなっていたり、通れないことがあるんです」

 交通安全はドライバーの意識だけではなく、適切な道路保全によって成り立っている。その点を日頃意識せずにいられる環境は、実は恵まれたものなのかもしれない。

道路の「路線番号」、便利なのに使われないのはなぜ?

 ツーリングを趣味とするローマンさんは、知らない場所へと出向く機会も多い。その際にはナビを使わず、地図を頭に入れてから出発するそうだが、ここにも便利なものがあるという。道路に割り当てられた「路線番号」だ。

「アメリカやロシアでは、道に名前があります。ジェファーソンストリート、マディソンストリート……道の説明にも使います。日本は番号。私はGPS(カーナビ)を使わないから、すごく便利で嬉しかった。

 なのに、日本人は全然使いません。話すとき『○○番の道』と言ってもわからない。50年住んでいる家の前の道でも、番号を知らない人もいます」