激闘の日本シリーズが終わって4週間が経ちました。オリックス・バファローズの選手、ファンの皆様、2021年シーズン本当に“お疲れ様”でした。
早いもので今年も残りわずか。例年ならセミの鳴く頃には実質的なペナントは終了していたのにもかかわらず、つい先日まで野球をしていたのですから、特に選手の皆様は肉体的、精神的にしっかりと束の間の安息を堪能して頂きたいです。
しかしそんなシーズンは、ほとんどのオリックスファンにとって、間違いなく人生で一番野球に『熱く』なれた1年だったと確信しています。例外なく僕も、このシーズンに全てを捧げました。
僕はB-モレルと申します。25歳です。オリックス・バファローズの大ファンです。野球を真剣にやった事もなければ専門的知識もない、「熱い」ことしか取り柄がないのですが、好きが高じて2017年からYouTuber活動を開始し、毎試合欠かさず全力で叫びながらオリックスの観戦動画、まとめ動画を投稿してきました。
そして、8月にはオリックスの快進撃に熱くなりすぎて会社を辞めました。
僕は4月に関西の大学院を卒業し、新卒で東京の大きな企業に就職。学生時代の周囲と同様に、勉強してきたことを生かして安定した会社に希望通り入ることができました。仕事はかなり忙しいと入社前から聞いていたので、学生時代に散々時間を費やしたオリックスとは少し離れてしまう、YouTubeの活動も入社と同時にやめなければいけないと覚悟していました。
しかしご存知の通り、前年2020年オリックス・バファローズはぶっちぎりの最下位に終わりながら、8月に中嶋監督代行が就任して以降はラオウ杉本の積極起用、宮城投手、紅林選手の最終戦での活躍など、未来に向けて確実に種は播かれたと感じていました。
言うなれば底を脱した、ここからは上がり目でしかない。YouTubeでも視聴者の方から「モレルさん辞めないで」「あなたがいることがオリックスを応援する理由の一つ」とのありがたい声をいただいているなか、オリックスから遠ざかる、そしてこのB-モレルというチャンネルを手放すことなど出来るはずありませんでした。
俺のオリックスへの想いはそんなものだったのか?
東京での勤務が始まった4月からは、会社から帰ってその日の試合をチェック、YouTubeにまとめ動画を投稿する日々がはじまりました。
我らがオリックス・バファローズ、4月5月こそは勝ったり負けたりのもどかしい日々。しかし6月、交流戦から快進撃が始まります。ラオウ杉本覚醒、山本由伸投手が序盤の不調から復活、宮城投手も負けない、破竹の11連勝で一気に首位に躍り出ます。そして前半戦首位ターン。毎日が楽しくて仕方がありませんでした。
というのは半分本当で、半分嘘です。オリックスが優勝するかもしれない。いや、このチームは優勝できると確信していた反面、会社の残業を終え、睡眠時間を削って試合のチェック、動画の投稿をしている間に、僕は肉体、精神ともに限界を迎えていました。
試合もリアルタイムで見られないため動画の内容も薄っぺらい、睡眠時間も少ないから次第に会社の業務にまで支障が出る始末。
「あれ、俺中途半端なことして全部の方面に迷惑かけてるよな」
立ち止まり考えました。