僕が思うに、音楽でいえば、ハードロックや演歌などのように力んじゃダメだよ、ジャズのように力を抜いて、しゃれてやろうぜ、ということなんじゃないかと。次元の言葉にするなら、『銃ってのはな、数撃ちゃいいってもんじゃねえんだよ』……というような」
――うわあ! 次元だ!
「いわゆる決めゼリフ的なものはイメージしやすかったんですが、このコメントを聞いてから、ルパン一味の日常の空気感とか、なにげないシーンを演じるのに、頼りとなる言葉となりました。ただ、作品の発表をしたときには1クール目を録り終えていたので、もう少し早くこの言葉をいただきたかったなあ(笑)」
【TOPICS】
50年の小林次元へのお別れ、第0話「EPISODE 0 ─時代─」
本シリーズ開始を前に放映された小林次元の最終話、第0話「EPISODE 0 ―時代―」は、ルパンが変わっていく世の中を渡るなかで、変わらずにいてくれた男・次元大介への感謝を吐露するという一話。「オンエアで観て、涙ぐみました。というか泣きました。ファンとして、50年の集大成がこの話に、と思うと……」(大塚さん)
盟友・押井守のミステリー
――そんな1クール目の内容は、ルパン一味対シャーロック・ホームズの対決を軸に、推理作家の大倉崇裕さんがシリーズ構成に入られるなど、ミステリー色の強いものになりましたね。
「おもしろいですね。脚本からおもしろい。皆さんの芝居が入るともっとおもしろいですよ。辻真先先生の(第3話)『大陸横断鉄道(噓)の冒険』などは、オールド・ルパン・ワールドが眼前に持ち上がってくるような素敵な回でしたね。話数によって様々な特色があって、ワクワクします」
――特に、第4話「ダイナーの殺し屋たち」は、「攻殻機動隊」シリーズで長くお仕事をともにしている、押井守さんの脚本でした。
「押井さんは、出﨑統さんと並んで、僕にとってたいへん思い入れの深い方なんです。“僕にとってのバトーは大塚明夫だ”とおっしゃってくれた方と、また一緒の仕事ができるのは、うれしかったですね」