今年、5月6日の明け方のことだった。
北海道の空の玄関口「新千歳空港」で知られる千歳市内の林道で、東千歳駐屯地に勤める防衛省技官の鈴木康平さん(仮名・享年49)が首を吊り、命を絶った。
自殺現場となった林道は、康平さん自らが調査で突き止めた、12年連れ添った妻・A子さん(44)と自衛隊OBの元千歳市議・香月(かつき)正氏(72)が逢瀬を重ねた“不倫現場”だった。
「文春オンライン特集班」が5月に不倫について香月氏を直撃すると「向こう(鈴木さんの遺族)はそう思い込んでるのかもしれないけど、僕は全然やってない」と否定。後日、鈴木さんの遺品のノートパソコンから、香月氏とA子さんの逢引の音声データなど、複数の証拠がでてきたことを告げたが「やましいことはしていない」と何度もA子さんとの関係を否定した。
だが、「文春オンライン」の記事(♯1、♯2、♯3)が公開された翌日の5月23日、香月氏は間近に迫っていた市議会選の出馬を辞退したのだった。
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鈴木さん一家が暮らしたマイホームは今
報道から7ヶ月。取材班が再び千歳を訪れると、自殺現場となった林道は一面雪で覆われていた。鈴木さん一家が暮らしたマイホームは全ての窓のブラインドが閉められ、表札も剥がされていた。玄関は外から施錠されていた。
「生前、康平さんはA子が子どもを連れて家を飛び出したため、一人で暮らしていました。自殺報道後もA子さんは家に近寄ろうとせず、別居先のマンションからも逃げるように札幌市内に引っ越したそうです。10月ごろに業者と共に一度家に戻られたA子さんをお見かけしたのですが、うつろな表情で疲れきっていた。家は売りにだされるようです」(近隣住民)
A子さんとの離婚調停中に康平さんは命を断った。康平さん家族とA子さんの溝は今も深い。