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警察の指示を無視し続ける人々
「肩車をしている方は危ないのですぐに降りてください。ご自身が怪我をするだけでなく、周りの方に大きな怪我を負わせてしまう恐れがあります」
危険な行動に走る人をなんとか制御しようと警察官が声を張り上げる。しかし、指摘された人は指示に従わず、同様のアナウンスが何度も何度も繰り返されていた。
「周りの方も肩車をやめるよう声をかけてください!」
挙句の果てには、周囲の人々の協力を求めて混乱を収めようとする事態に。その他、警察官がスクランブル交差点を行き交う人々の人流を規制テープでコントロールしようとしたり、セキュリティ会社のスタッフが一人ひとりに注意を促したりするも、指示に従うのは指摘されたその瞬間のみで、各々が勝手な振る舞いを続けるさまが散見された。カウントダウンの高揚感で我が身を省みられなくなっているのだろうか。
年越しを迎える十数分前には……
各々が自身の思うままに行動するなか、年越しの瞬間を迎える十数分ほど前から徐々に渋谷駅前は混雑し始め、次第に身動きが取りづらくなってくる。
まぎれもない“密”状態だった。近くに掲げられた垂れ幕には「距離を保とう」という標語が記されていたが、とうていソーシャルディスタンスが保てる環境ではないといわざるを得ない状況だ。
人の密度は年越しの瞬間が近づくにつれ、どんどんと高まる。昨年のカウントダウンと比べても明らかに人が多く、盛り上がりも勝っていた。