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「うわ、めっちゃエロい」知らない50代男性は、なぜそれが褒め言葉になると思ったのか

2022/01/11
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 先日、SNSにペットと一緒に写った何気ない写真を投稿したところ、面識のない50代男性から「うわ、めっちゃエロい」というコメントが付き、想像以上に落ち込んでしまった。

 男性とは直接の知り合いではなく、私は彼のことを知らないが、仕事関連の共通の知人が複数人いるせいか、彼は私の存在を知っていて、アカウントをフォローしていたようだ。要するに、私からすれば「知り合いの知り合い」であり、ただの知らない男性である。

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褒め言葉として“エロい”という形容詞を使用

 この男性は「エロい」とコメントを書き込むことで本人に通知が行き、それを読んだ私がどんな気持ちになるかほんの少しでも想像しただろうか。いや、考えていれば普通はそんなコメントを面識のない女性に送ったりしないだろうから、きっと何も考えていないのだろう。ところがそう思ったとき、ある仮説が頭をよぎった。

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 女性に対して「エロい」と形容することが、褒め言葉になると考えているのではないか。実際に、保身のための保険なのかなんなのか、コメントには「(念のためだけど、褒めてます)」という一文も書き込まれていた。ゆえに、彼の意図としては「言わなくてもわかるだろうけど、自分はあなた(もしくはペット)を“エロい”と思っていて、それは褒め言葉なのだ」ということになる。

 仕事関係の共通の知り合いがいる面識のない女性に対して突然「エロい」と何も考えずに伝えているというよりも、褒め言葉として“エロい”という形容詞を使っている。そう考える方が、なんだかしっくりきた。

何の脈絡もなく「今日の格好はセクシーだね」

 最近で言えば、仕事の付き合いで食事に行った男性から、店に着いて上着を脱ぐなり、何の脈絡もなく「今日の格好はセクシーだね、僕好みだよ」「色っぽいね」「エロいってよく言われない?」など、執拗に「性的対象として見ている」ことを強調されてしまい、大変に辟易してしまった。

 この男性は自分の父親よりも年齢が上ということもあり、決して性的な関係を望んでいない自分にとっては非常に苦痛だった。彼はいい人なので良好な関係を続けたいと思っているが、会うたびにこうした扱いを受けるのであればもう会いたくない。しかしながら、父親よりも年齢が上の男性に「やめてほしい」と伝えるのも、私にとっては簡単なことではない。