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同僚が下の毛を燃やし、社長は「2人きりになりたい」と…最悪すぎる“忘年会の思い出”

2021/12/09
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 コロナ禍は、過去の様々な社会習慣に影響を与えている。そんなニューノーマルの世界で存在価値が揺らいでいるもののひとつが、年末の風物詩だった職場の忘年会。コロナ禍で忘年会がなくなりホッと胸をなでおろしている人たちに、過去の忘年会で経験したヤバい出来事を語ってもらった。(取材・文=常田裕/清談社)

 昨2020年末は、これまで当たり前のように行われてきた忘年会の多くが中止になった。残念がった人もいたとは思うが、これを機に、「忘年会は不要では」と考える企業も増え始めているようだ。

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 今年10月1日の緊急事態宣言解除後に東京商工リサーチが実施したアンケート調査によれば、2021年の忘年会、2022年の新年会を「開催しない」と回答した企業は70.4%に上っている。また別の忘年会をめぐるアンケートでは、今年の忘年会に「参加したい」と答えた人は43.5%、「未定」と答えた人は40.3%だったという(昨年はおよそ8割が「開催されず」、「参加」「参加しなかった」が1割ずつだった)。

下の毛を“ファイヤー”、謎の体育会ノリにドン引き

 数年前まで大手の老舗ゲームメーカーに勤めていた岡田さん(仮名・34歳・男性)は、当時の忘年会を苦笑しながら振り返る。

「忘年会は部署ごとに開催されていて、私の部署の忘年会には60名ぐらいが参加していました。強制参加とは言われていないんですが、もともと社風が体育会系で、実際にはほぼ強制みたいなものでした」

 気が進まないながらも渋々参加した当日。一次会は座敷の居酒屋、二次会はカラオケ店で行われ、ここまでは参加者が和気藹々と飲むごく普通の忘年会だった。ところが終電もなくなった三次会の居酒屋で様相が一変したという。

©iStock.com

「お酒がすすんだこともありますが、深夜1時を過ぎたあたりからおかしくなって、変なテンションで『ファイヤー!』と下の毛を燃やす遊びが始まりました。最初は誰か一人がふざけてやったのを、まわりが男子校ノリで爆笑して煽っているうちにどんどんエスカレートして、まるで集団ヒステリーでしたね」

「ファイヤー」の中心になっていたのは30代半ば以上のリーダークラス。その上司に当たる40代以上のマネージャークラスもコールをして煽っていたという。

「体育会系の会社だったせいか他の社員たちはみんなノリノリで、女子社員たちも笑って見守るって感じ。私は笑いながら遠巻きに見ていましたが、内心ドン引きでした。ファイヤーを強制こそされませんでしたが、さすがについていけないと思い、その翌年には会社を退社して転職しましたよ」

 当然のように三次会の会場となった居酒屋には、会社ごと出禁になったという。