何とか本番までこぎつけたが結果は散々だった。店のオペレーションの不手際で、オジサン上司たちからは「酒の提供が遅すぎる」「これだから若手が選ぶ店はダメなんだ」と文句を浴びせられ、しまいには「なんで毎年ビンゴやるの? やる意味ある?」と嫌味を言われる始末だった。
「ビンゴは社長からやりたいっていうリクエストがあるからやってるだけなんですけど……。あと、やってみてわかったんですが、ビンゴの景品代は幹事が立て替えることになっていて、これも地味にキツかった。上司の中には『タクシーで帰りたい』とワガママを言い出す人もいてもうカオスでした。
翌年以降のために改善点を申し送りするようなシステムもないしそんな余力も残っていなかった。その後も毎年、同じことが繰り返されているみたいです。もう幹事は二度とやりたくないですね」
社長が「2人きりがいい」と言い出し……頻発するセクハラ
パワハラやセクハラ防止といった企業コンプライアンスが叫ばれている昨今ではあるが、酒が入って油断してしまう忘年会は、そのタガも外れがち。メーカーで働く水口さん(仮名・28歳・女性)は、数年前に幹事を担当した際に経験したヤバい出来事を語ってくれた。
「当日や翌日に仕事を抱えている社員もいるので、毎年、二次会まで幹事がセッティングして、そこで解散ということになっていました。ところがこの年は、なぜか社長が『二次会には行かない』と言い出したんです。
私は幹事という立場もあったので、『少しでいいので、二次会も行きましょうよ』と誘ったんですが、社長は『水口と2人きりならいいよ』とワケの分からないことを言い出したんです。さすがにこれはマズイと思って、何とか同期の女性社員を誘いました」
2人っきりは回避したものの、社長と2人の女子社員で謎の二次会に行くことに。特別に仕事の話があるわけでもなく、気を使うばかりの時間を過ごすことになった。
「入ったお店でもキャバクラのホステスみたいな扱いで、隣の席にいたサラリーマンのグループにはパパ活みたいな組み合わせに勘違いされて変な目で見られるし……。とにかく居心地が悪かったです」