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外国への長期出張中、「幹事やるよね?」とメールが

 それなりの人数がいる会社では、「大人数をまとめる経験を積むため」「社内のコミュニケーションを増やすため」といったこじつけのような理由から、通過儀礼のように新入社員に幹事を任せるケースも多い。

 舞台照明の会社に勤める前田さん(仮名・29歳・女性)の会社でも、毎年、およそ50人ほどの社員全員を集めた忘年会が開催されており、慣例として入社2~3年目の若手社員2人が忘年会の幹事を務めていた。当時、入社2年目だった前田さんは、同期の仲間と「そろそろうちらの代に回ってきそうだよね」と話していたが、ちょうどその年の10月から11月末にかけて中国への長期出張の仕事が入ったという。

「仕事で行っているわけだし、このスケジュールでは準備期間が1カ月も取れないことを考えても、まさか幹事には指名されないだろうと思っていたんです。ところが中国出張が終わりに近づいてきた11月20日過ぎに、先輩のMさんから『一緒に幹事をやってほしい』と連絡を受けて驚きました」

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 とはいえ、日程的には難しく、前田さんは「11月いっぱいは中国にいるし、帰国してからも仕事のスケジュール的に自由に動けるのが12月13~20日の期間しかないので難しいと思います」と、なるべくカドが立たないよう気を使いながら断りの連絡を入れたそう。

 Mさんの返事は「わかった、でも検討してみてほしい」とのこと。微妙な反応ではあったが、さすがに仕事が優先だろうと安心していたところ、帰国直前になって、「やっぱり幹事をお願いします。忙しいって言うけど、それは皆同じなので」と無慈悲な通達が来た。

「帰国後は地獄でした。Mさんは先輩ということもあって、忘年会の準備をほとんど私に丸投げしてきたんです。私たちの業界はイベントが立て込む12月は繁忙期で、毎週のように現場が変わるうえ、作業も深夜に及びます。そんな中で会場探しやビンゴ景品の手配などをほとんど私一人でやりました。

 この時のMさんは、決まった時間に終わる仕事しかしていなかったはずなんですが、『どうなってる? そう、じゃあ引き続きよろしくね』と聞いてくる程度。最後は私の同期にも手伝ってもらってギリギリで間に合わせました」