岸田政権は不思議がたくさん。撤回や軌道修正ばかりなのに支持率は上昇中。この謎をどう読めばいいのか。最近ではオミクロン株感染者の濃厚接触者となった受験生への対応が不評とみるやすぐに撤回していた。ブレることにブレない。
以前に私は岸田氏が安倍&菅政権を反面教師にするだけで斬新なイメージがつくことを“岸田マジック”と呼んだ。その効果はまだ続いているようだ。首相周辺は「安倍、菅両内閣の失敗から学んだことは、批判を恐れて後手に回ってはならないことだ」と強調する(読売新聞2021年12月29日)。
ゆらゆらと上昇する、まるで風船おじさん
安倍・菅政権の記憶が濃厚なうちは朝令暮改といわれようが「スピード重視」を前面に出せば評価される。先日はアベノマスクの廃棄を発表しただけで英断のような雰囲気になった。とくに自分では何もしていないのにゆらゆらとアガっていくこの感じ。まるで風船おじさんである。
実は岸田報道にも異変を感じるのです。とくにタブロイド紙が興味深い。夕方に発売され、見出しや論調が刺激的でわかりやすいことが特徴のタブロイド紙は「日刊ゲンダイ」は政権批判、「夕刊フジ」は野党批判が売り。ところが最近は後者の夕刊フジも岸田批判が多いのである。いくつか並べてみよう。