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朝日新聞は『自民財政再建派 風前のともしび 積極派席巻 本部最高顧問に安倍氏』(2021年12月2日)。
毎日新聞はズバリ『首相、安倍氏は煙たい存在? 政策に違い くすぶる火種』(2021年12月28日)。
自民党内での闘争が紙面を奪っている。こうなると保守派からのツッコまれ役も引き受ける「岸田人気」はますます高まるだろう。本人はとくに何もしていないのに。
岸田氏は「あの男」に似ている
そんな岸田政権の発足から3カ月。「過去の政権では誰に似ているか」と私が当初に考えて浮かんだのは「宮澤喜一」「村山富市」だった。安倍氏や麻生氏が岸田氏当選に影響力を持った総裁選を見たら、過去にそれぞれ主導権を握られていた首相たちの顔が浮かんだのだ。
その一方で、岸田政権が主体性はないのにいつの間にかひょいひょいと化けていく可能性を考えると「小渕恵三」政権も思い出した。小渕首相は98年の発足当初は「冷めたピザ」と海外メディアに報じられ、これといった特徴の無さは「真空総理」と呼ばれた。
しかし自民・自由・公明の連立政権(現在の自公連立はこのときに始まった)を発足させて政権基盤を固めると「日米防衛協力のための指針」(日米新ガイドライン)、「国旗・国歌法」「通信傍受法」「改正住民基本台帳法」などを次々に成立させた。温厚そうな人柄が徐々にウケていたがハードな政策を次々に飲み込んでいく様子を見て、週刊誌が「本当は怖い小渕政権」という特集を組んでいたのを思い出す。
となると岸田政権も……。