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「アベノマスク廃棄」発表で“英断”のような雰囲気に…主体性はないのに支持率は上昇、岸田文雄は“あの男”に似ている

2022/01/07
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『「ひ弱なハト派」岸田政権』(2021年12月28日付)

『宏池会外交大丈夫か』(12月24日付)

『対中政治闘争 岸田安倍 激突』(12月18日付)

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『安倍高市 岸田に檄 台湾有事「厳重警戒」』(12月21日付)

安倍晋三 ©文藝春秋

 今まで政権を擁護していたタブロイド紙にも厳しく書かれている岸田政権。こうなると岸田氏はピンチのようにも思えるが実はそうではない。なぜなら「野党」が埋没しているからである。立憲民主党などは、最近はネタにすらなっていないのだ。保守系メディアからすれば野党のほうから「批判から提案へ」と言いだしているのでもうどうでもよいのかもしれない。それより「宏池会・岸田はいかがなものか」という論調に夢中なのである。つまり岸田首相が野党の役割も果たしているのだ。

政党が自民党しかないようなマジック

 岸田氏はもともと再分配政策など立憲にも近かった。自民党はその岸田氏をトップに掲げることで野党への「抱きつき戦法」の効果も得ているように見える。タブロイド紙では岸田首相が保守派の矢面に立っており、まるで政党が自民党しかないようなマジックになっている。この構図は総裁選報道のときと同じだ。マスコミの目は「岸田VS高市・安倍」という自民党内の対決に目が行く。一般紙も似たような状況だ。次の案件が盛り上がっていた。

『財政政策 異例の議論 自民 2組織が並立』(産経新聞2021年12月8日)

 政府の財政運営をめぐり、自民党内で財政規律派と積極財政派によるつばぜり合いが熱を帯び始めたと冒頭で伝える。『規律派首相VS積極派高市氏 主導権争う』という見出しもある。