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その充電のやり方、間違いかも?iPhone「急速充電」の知っておきたい“5つの基礎知識”

2022/01/14
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(2)急速充電を行うには「USB Type-C」が必須

 iPhoneがサポートする急速充電は、USB PD(USB Power Delivery)と呼ばれる方式です。このUSB PDで充電を行うには、充電器側のコネクタがUSB Type-C端子である必要があります。古いiPhoneに付属していたUSB Standard AのコネクタのLightningケーブルは、急速充電に対応せず、充電には2~3倍程度の時間がかかります。

 そのため、外出先でモバイルバッテリーから充電する時など、少しでも高速に充電したい場合はUSB Type-C仕様のLightningケーブルを使い、一方で手持ちのUSB Standard A仕様のLightningケーブルも活かしたい場合は、就寝時の枕元での利用など急がなくてよい時だけにとどめるなど、適材適所で使い分けたほうがよいでしょう。

かつてのiPhoneに付属していたUSB Standard A仕様の充電器では、充電スピードは前述のワイヤレス充電と大差ありません
USB Type-C仕様の充電器を使えば、その2~3倍程度のスピードで急速充電が行なえます。なおUSB Type-Cポートの中にはUSB PDに対応しないものもあるので注意が必要です

(3)USB PDの充電器の出力は「大は小を兼ねる」

 急速充電を行うためのUSB PD充電器は、もっとも出力が小さいものだと18W程度、もっとも大きいもので100Wとかなりの幅があり、どれを選ぶか迷いがちです。ただUSB PDは、「大は小を兼ねる」が当てはまるため、迷ったら数字の大きいものを買っておけば問題ありません。

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左が96W、右が18WのUSB PD充電器。iPhoneはもっとも充電速度が速いiPhone 13 Pro Maxでも最大27Wまでしか対応しませんので、96Wだと宝の持ち腐れになるほか、重量やサイズ的にも不利です

 もっとも現行のiPhoneは最大でも27Wまでしか対応しませんので、それ以上の容量の製品を買っても宝の持ち腐れになります。また出力が大きい製品は本体が大きく重いため、持ち歩きには向きません。今後のモデルチェンジでiPhoneがさらに高速に充電できるようになるのを織り込んでも、現状では30W程度の製品を選ぶのが、速度・価格・本体のサイズどの観点からもベターと言えます。