1ページ目から読む
3/3ページ目
前の住人が亡くなっていたとしても
他にも、「この部屋に住んでいた前の住人と、その前の住人は、ともに最寄りの駅で飛び込み自殺している」といった物件の話を耳にすることもありますが、その部屋が亡くなった現場ではない以上、やはりこの場合も業者に告知義務はありません。
もちろん、そこが「呪われた部屋だ」などというつもりはないのですが、そうした事態が連続していることを考えると、その部屋に住むことで何かしら気分が落ち込んでしまう要因――例えば隣人に何か問題があったり、日当たりが極端に悪いせいでカビが発生し、そこで生活すると健康を害されてしまうといった要因――があるのではないか、と疑ってしまいます。
「そうした部屋には住みたくない」「住む前に教えてくれないと騙された気持ちになる」といった点では事故物件と変わらないとも言えますが、そうした物件の情報をどこかに集約することも、そもそも情報の真偽を確かめることも現状では不可能です。
「大島てる」サイトには、あらゆる地域の事故物件が無数にマッピングされていますが、そもそも“事故物件”と定義される物件、業者に告知義務が生じる物件自体が、「できることなら住みたくない」と多くの人が思う物件のごく一部に過ぎないのです。