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 そして2番には「抱きしめて男を女をハーフを 生きてるだけじゃ淋しいよ」という歌詞が出てくる。

 国籍や人種の表現で使われることが多い「ハーフ」という言葉を、「男を女を」の後に続けているのが興味深い。カテゴリ関係なく「魂の半分半分」という「ハーフ」を思わせてくれる並びだ。

 ナツメロだが、懐かしいだけではない。ボーダーレスの壮大な世界に飛び交う、レーザービームのような熱い視線、生命のときめき、胸騒ぎ! 今の時代にもぴったりフィットするではないか。ああ、エキゾチック・ジャペアオオン! 

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郷ひろみ ©文藝春秋

「GOGO!」と叫び始めたのはいつから?

「郷=GO(前進)」は彼のアイデンティティを示す記号だ。デビュー曲「男の子女の子」では、ファンの合いの手「GOGO!」に身体を委ね、ただただ手を振っていた。それを自ら叫び始めたのはいつからだろう。

 GOとシャウトするごとに、ポジティブオーラが増していく。ジャケットプレイも、肩にのしかかるプレッシャーや悪運を払い取る儀式に見えてくる!

 今年で歌手生活51年目に突入。様々な格付けを振り切り、軽やかに歌い踊る郷ひろみは、風の時代と最高に相性がいい。

 いくつになっても「はじまり」が似合う、こんなスターはなかなかいない。