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連載尾木のママで

歴史ブームを楽しむために必要な“議論”――尾木ママ

2017/11/30
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イラスト 中村紋子

 九月放映のフジ「FNS27時間テレビ」が「にほんのれきし」と銘打たれていたの、覚えていらっしゃる? 様々なジャンルの番組で、旧石器時代から平成までの歴史を紹介。ボクは「飛鳥・奈良時代」を担当した「ホンマでっか!?TV」に出演した。こんなカタいテーマでみんな観てくれるのかしらって心配したけど、視聴率もまずまず。数年来の歴史ブーム、まだまだ継続中ね。その後も立て続けに歴史番組に呼んでいただいて、この秋、歴史を満喫しているワ!

 来週放送のNHKBSプレミアム「ザ・プロファイラー」のテーマは「市民に愛された暴君ネロ」。共演の『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリさんはわかるけど、なぜ、泉谷しげるちゃんが? 「芸能界の暴君」だからとはね(笑)。でも、歴史に詳しくて驚き!

 それから、同局の「英雄たちの選択」では、家康が息子・信康に切腹を命じたとされる「信康事件」について議論。信康なんて学校では習わないようなマイナーな人物だけど、人となりに迫り諸説見ていくうちに、僕も専門家の先生に交じって「もしこうしていれば……?」って仮説を立てちゃったりして。ワクワクものよ。

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 どちらの番組も一人の人物に焦点を当て、「通説」に頼らず、諸説や最新の研究も参考に議論するスタイル。学校教育で主流の、歴史の流れをつかむ「通史」と比べて、より感情移入できて、イキイキと深い歴史認識につながるのね。単に年号や事件の名前を暗記するよりもよっぽど学ぶ意欲や楽しさが生まれる。これこそまさに、アクティブ・ラーニング! 授業だけでは難しいかもしれないけど、ぜひ子どもたちにはこうした歴史の面白さに目覚めて欲しい。

 たとえば、各々がお気に入りの人物を決めて歴史を深掘りしてもいいわね。この方法なら大人になっても歴史を楽しめちゃう! 歴史ブーム、みんなで楽しみたいわね♥

歴史ブームを楽しむために必要な“議論”――尾木ママ

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