氷川きよし(44)が21日、所属事務所の公式サイトで今年いっぱいで歌手活動を一時休止すると発表した。活動休止の理由については「22年間歌い続け、走り続けて参りました。ここで一旦お休みをいただき、自分を見つめなおし、リフレッシュする時間をつくりたいという本人の意向を尊重しこの様な決断に至りました」と説明している。

 昨年末のNHK紅白歌合戦では、美空ひばりの「歌は我が命」を歌い上げた氷川。彼の“覚悟”と“決意”を報じた「週刊文春」の記事を全文公開する。(初出:「週刊文春」1月13日号 年齢・肩書き等は公開時のまま」

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 大泉洋が「並々ならぬ覚悟で歌うんでしょうね」と言えば、川口春奈も「この曲を選ばれたことに並々ならぬ決意を感じます」。司会の二人が口を揃えて語った氷川きよし(44)の“並々ならぬ”覚悟と決意とは。

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「それなら紅組がいいわよねぇ」

 氷川は過去2回、紅白では演歌を封印していた。

「19年の紅白の囲み取材で『きーちゃんらしく。きよし君にはさよなら』と“きよし卒業”を宣言。周囲に『演歌は歌いたくない』と漏らし、2年続けて『ドラゴンボール超』の主題歌『限界突破×サバイバー』を歌った」(スポーツ紙記者)

氷川きよし

 美女化も止まらない。

「一人称は『あたし』で、メイクを施しドレスを纏う。今回のリハーサルの際には、“今後、紅組・白組を選べるようになるらしい”という噂を聞き、『それなら紅組がいいわよねぇ』と言っていた」(NHK関係者)

氷川の意向に事務所は反対

 だが演歌の貴公子として築き上げた地位に終止符を打つのは簡単ではなかった。

「自分らしく生きること、そして演歌との訣別を宣言したい氷川の意向に事務所は反対してきた。ここ数年は双方の攻防が続いており、取材で発言しても、事務所に削られてしまうことも。コンサートで演歌と、それ以外の曲調の2部構成にするなど、折衷案を模索している」(前出・記者)

 今回の曲は美空ひばりの「歌は我が命」。昭和の歌姫の歌手人生を描いた曲だ。実は氷川は長年、美空の曲を歌い継いできたが、それは18歳で福岡県から上京してきた氷川を見出した事務所元会長の故・長良じゅん氏の願いでもあった。長良氏は美空とも親交が深く、生前こう語っていた。

「男版美空ひばりになってくれ」

 氷川は「愛燦燦」「人生一路」などをカバー。美空の生誕80周年記念コンサートにも出演している。実は今回、美空の曲を提案したのはNHK側だったという。