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 文春オンライン取材班は男子生徒の高校生活を知る、東海高校関係者に取材することができた。

男子生徒が欠席したのは実力考査の2週間前

「彼が無断欠席した14日は、実力考査の2週間ほど前でした。この結果で3年次のクラス分けがされます。東海は学力別にA群、B群と分かれます。A~C組が理系A群、D組が文系A群、E組以降が理系B群と文系B群といった感じです。もしかしたら彼は理系B群になるのが嫌だったのかもしれません」

名門・東海高校 ©文藝春秋

 この東海高校関係者は「自由な校風なので、学内に学力による差別はありませんが……」とも語るが、事件を起こしたタイミングを考えると、テストが大きなプレッシャーになったということだろうか。別の社会部記者が解説する。

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「学校側によると、男子生徒は東京大学の最難関である理科3類を目指していました。しかし成績が思うようには上がらず、エリート揃いの校内では目立つような学力ではなかったようです。悩む男子生徒を、担任は激励していたといいます」

 男子生徒の印象について、前出の東海高校関係者はこう話す。

男子生徒は「真面目。まだ東海生らしくなかった」

「彼は中学から東海に通う『内来』ではなく、高校入学組のいわゆる『外来』です。ですが、入学早々に生徒会長選挙に立候補していたのが印象的でした。彼は落選しましたが、それも仕方ないことだろうと思います。彼の演説はあまりにも真面目で、東海に合っていなかったからです。

 東海は進学校ですが、校風は極めて自由です。いじめもありませんし、先生と生徒の仲もいいです。外来の生徒は、入学当初はみんな真面目なのですが、だんだん東海に染まっていく。卒業するころには内来とほぼ変わらないくらいはじけているのですが、彼はまだ真面目な段階だなという印象を受けました。大抵、生徒会長選挙の演説には、おふざけ要素をいれる人が多いんです」

事件を起こした男子生徒

 1学年は内来が約400名、外来は約40名。同校の卒業生によると、「中学受験よりも高校受験の方がさらに狭き門なので、外来の生徒は本当に優秀」だというが、外来の生徒には、中学のうちから高校レベルの学習をしている内来に追いつくために特別な補習が組まれるという。