2022年1月10日、漫画家の水島新司さんが肺炎で亡くなった。82歳だった。「ドカベン」「あぶさん」「男どアホウ甲子園」などの野球漫画で知られ、2005年に紫綬褒章を受章、2014年には旭日小綬章を受章。
野球関係者からの支持も厚く、ソフトバンクの王貞治球団会長や松坂大輔氏も悲しみのメッセージを発表している。
「文春オンライン」が2021年4月に発表したアンケート企画「自分史上最高のスポーツ漫画」では、ベスト30に水島さんの3作品がランクインしていました。
水島新司さんへの哀悼の意味を込めて、読者から寄せられた愛情あふれる声を紹介します。
15位 (野球狂の詩 1972~1977)
万年Bクラスのプロ野球球団、東京メッツが舞台の本作。当初は不定期連載で、50歳を超えた現役投手・岩田鉄五郎を筆頭に癖のあるメンバーが登場して人気でしたが、1976年に週刊連載が始まると女性投手・水原勇気が登場。さらに注目度がアップしました。続編として「平成編」(1997~1998)、「新・野球狂の詩」(2000年~未完)があり、こちらも多くの女性プロ野球選手の活躍が描かれています。
「必ずしも一流ではない個性的な選手にスポットライトを当ててくれた。泥臭くも懸命なプレイや日常のひとこまを見事なドラマにしてくれた。感動の連作集です。女性選手・水原勇気も魅力的でした」(男性・57)
「水原勇気という女性ピッチャーが男の世界の中で闘うという姿も面白かった。当時作者の水島新司さんと仲の良かった里中満智子さんが作画に参加しているところも見どころ」(女性・59)
「当時、水島新司先生の野球漫画が好きでした。女性の野球選手が珍しく、水原勇気が魅力的でした。実写化もされ、水原勇気を演じた木之内みどりさんも素敵でした」(男性・55)
「水原勇気が登場するまでのストーリーが特に好き。登場人物達の個性豊かなところと、その人間模様が描かれているストーリーが面白かった。東京メッツや国分寺球場の寂れた雰囲気も良かった」(男性・54)
「ギラギラした『昭和』の野球の息吹を感じる」(男性・45)
「一話完結で読みやすく、大人向けの渋いエピソードが多かった。アニメも良かった」(男性・57)