90年代末から04年にかけて本国アメリカで放送され、世界中の女子たちを魅了した海外ドラマ『SEX AND THE CITY』。

 私は1983年生まれの38歳ですが、18歳くらいに本作と出会ってから20年間(!)、一年に一度は必ず、ドラマ版か映画版かを見直しています。つまり、ファンです。

「SATC」は2010年の映画版『2』を最後に続編の話が浮上しては消え……を繰り返していたところ、ついに待望の続編となる『AND JUST LIKE THAT...』が21年末、日本で放送開始。独占配信を勝ち取ったU-NEXTには30代オーバーの女子たちが爆裂加入し、毎週水曜0時の更新を楽しみに生きているのであります。

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「SATC」待望の続編が始まったものの…

 全94話のドラマシリーズを各話最低でも10回ずつは見て、自分を構成する何%かは「SATC」なのではないか、といっても過言ではないほど影響受けた作品の、12年ぶりの完全新作。ドキドキしながら再会したキャリーたちは、55歳になっていました。55歳の女性が主人公の連ドラって、革命的ですよね。ただ感動の再会も束の間、1話目は要素の詰め込み感がすごく、何度も離脱してしまいました。

キャリー・ブラッドショー役のサラ・ジェシカ・パーカー ©AFLO

 キャリーがサーモンの品種の話をすると、「昔の君はセーターをオーブンに入れていたのにね」と返す夫のミスター・ビッグ。新型コロナによるロックダウンの最中に料理を覚えた、ということなのでしょうか(『AND JUST LIKE THAT...』はアフターコロナのニューヨークが舞台)。

「料理<マノロ・ブラニク」な、家庭的なものをまったく重要視しないキャリーのイメージが鮮烈だっただけに、変化に戸惑います。

大げさに巨大化しているファッション

 映画版でも感じましたが、ファッションがどんどん大げさに、巨大化しているのも気になりました。社交界の華として冒頭に登場したリサのネックレスは「織田無道のモノマネ?」と思うほどデカかったです。

 重要なシーンでキャリーがまとったブラックドレスも、頭上に載せた帽子がまるでフライングディスクで、おしゃれも先鋭化しすぎると物語に没頭できなくなるものだなと実感しました。