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「女性器ケア不足で孤独死、赤ちゃんは洗うな、腟用卵型翡翠…」大流行中“トンデモフェムテック”の正体《吉川ひなのや大女優も》

2021/10/10
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 ここ最近、急速に注目を集めているフェムテック市場。どこかで聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

「フェムテック(FemTech)」とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、女性の生理・妊娠・出産・育児・不妊・更年期といった様々な体の悩みをテクノロジーで解決しようという取り組みを意味します。デジタルなテクノロジー以外のアプローチは「フェムケア」と呼ばれます。

 とても前向きなムーブメントですが、ここにいま、違和感のある動きが発生しています。

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※写真はイメージです ©iStock.com

昨年は「フェムテック元年」 だけど玉石混淆

 日本の「フェムテック元年」と言われる昨年は、自民党内で「フェムテック振興議員連盟」が発足。大手企業の市場参入も相次ぎ、次々とフェムテック商品がリリースされています。総合商社「丸紅」では生理痛に悩む女性社員に向けた福利厚生制度を導入しはじめたとか。

 定番のフェムケアアイテムであるムーンカップ(腟に入れて経血をためるシリコンカップ)や吸水ショーツは、実際使ってみると従来の生理用品とは段違いの快適さ。「こんな素晴らしいものを開発してくれた企業は神!」と便座で天を仰ぎたくなる感動でした。

ムーンカップ ※写真はイメージです ©iStock.com

 これは未体験ですが、「妊娠トラッキング」なる新たな機能が搭載されたモバイルアプリもあり、胎児の動きを記録したり、陣痛の持続時間を追跡したりできるそう。アプリと連動させ、オーガズムなどをデータで可視化できるバイブレーターなんてものもあるそうです。

 フェムテックという言葉自体は最近できたものですが、要は女性の健康をサポートするプロダクツであり、古くから存在している分野です。経口避妊薬であるピルや、今年20周年を迎える生理予定日管理アプリ「ルナルナ」も同カテゴリー。昭和の時代に初潮を迎えた私もそれらのお世話になったものの、今の時代に次々生まれるアイテムの機能性には、「私ら未来に生きてるなあ」と感嘆のため息が漏れてしまいます。

 しかし市場の盛り上がりと比例して、玉石混淆になるのは世の常でしょうか。「女性の悩みをポジティブに解決していこう」というメッセージで盛り上がるフェムテックという分野に、「これが入るのか?」と疑問を抱くものを、チラホラ見かけるようになってきたのです。