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「何かあった時は、私が息子を始末するから」母親の覚悟、スタッフ出禁…番組Pが語る「石田さんチ」の撮影秘話

「石田さんチ」石田千惠子さんインタビューより#3

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 1年もメディアに出てないのに必死に連絡をしてくる方がいて、それが澤本さん(『石田さんチ』のプロデューサー)ですよ(笑)。本当にあんたらしつこかったんだから。

澤本 当時は色々失礼なことしてすみませんでした(笑)。

「一緒に子育てをするんだよ、逃げんじゃないよ」と言われて

――澤本さんが石田家に取材を依頼したきっかけは。

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澤本 当時「ニッポンのお母ちゃん」という番組がありまして、その中で肝っ玉母ちゃんとして出演してくれないかとお願いしたのが一番最初です。雑誌で取り上げられているのを見て、面白いお母さんだなと思って依頼しました。

千惠子 最初は特番で、しかも他にも大家族が何組かいたんですよ。だからまさかこんなに続くとは思っていなかったけど。

 

澤本 群を抜いて石田家が面白かったんです。大家族のドキュメンタリーを撮るってすごく難しくて。最後にバラバラになって終わる大家族番組もあったので、そういう最終回だけは嫌だなと。でも、石田家にはそんな不安を全く感じなかったんです。お母さんの覚悟がすごいなって。

――覚悟ですか。

澤本 最初に家にお邪魔させてもらった時に、「子育ては共同作業だよ。来た時だけ甘やかして、あとは知らんぷりは絶対無理だからね。あなたたちも一緒に子育てをするんだよ」と言われたんです。「逃げんじゃないよ」と(笑)。

 そんなこと言われたことなかったので、びっくりしましたけど、でもその言葉にお母さんの子育てへの覚悟というか、絶対ブレない信念みたいなものを感じて、この人はすごいなって思いました。

 

千惠子 「大家族みんな集まって、食事してください」なんて言おうものなら出禁にしていましたよ。実際に何度か出禁にした人もいましたし。

 9人も子供がいて、同じ時間にみんな集まって、仲良く食事なんてできるわけないじゃないですか。部活があったり、習い事があったり、いろんな子がいるので、それぞれ食事する時間は違うわけですよ。だから私たちのペースを崩すのだったらもう来ないでくださいって言っていました。

――撮影のために何かすることはなかったと。

千惠子 それは絶対ないです。「大家族はこうでしょ」という先入観も捨てなさいとよく言っていました。