昨年12月20日から約1カ月、沖縄・伊良部島で自主トレを行った巨人の菅野智之投手(32)。同僚の中川皓太投手、鍬原拓也投手のほか、阪神の藤浪晋太郎投手(27)もメンバーに加えた。
「藤浪は昨季、開幕投手を務めるも制球難で4月に二軍落ち。6月に中継ぎで昇格したが、わずか3勝に終わった。10年目の今季は崖っぷちで、なりふり構わず菅野に頼み込んだのです」(在阪メディア関係者)
“伝統の一線”を越え、宿敵・阪神の投手と自主トレをするのは異例中の異例。だが、菅野は「他球団の選手だからとか、そういうのは嫌なんですよ。同じ野球人として互いに高めていければ」と器の大きさを見せた。さらに「藤浪が苦しんでいるのは制球力。そこに関してはメンタル、技術両方あると思う」と分析。具体的なアドバイスを送った。
菅野が真っ先に指摘したのは右の軸足が三塁方向に折れ、体重移動の際に体が本塁の方向からぶれる癖だ。
番記者は「この悪癖のせいで、右打者の頭に向かってボールがすっぽ抜ける傾向が直らない。菅野のアドバイスはもっともなのです」と話す。ただ、その一方で「この欠点はオフの風物詩のように、これまで師事した先輩たちから何度も指摘されてきた。それでも直らないのだから根が深い。もし藤浪が良くなったら、阪神は菅野にコーチ料を支払うべきです」と苦笑する。