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 私はスキューバ・ダイビングが趣味なんですが、特に寒くてドライスーツを着る時期は、潜ってからトイレに行きたくなると大変です。海の中では着脱もできませんし、ドライスーツの中を尿で濡らすこともできない。

 そこで先輩たちが教えてくれた小ワザが、ドライスーツの中、ちょうど膀胱に当たる位置に、カイロを貼っておくというもの。たしかに、不思議なことに尿意があまり強くなりません。試してみる価値はあるかもしれませんよ。

トイレの癖をイジられたら…返しを5つくらいストックしておく

 とはいえ、あなたの気にしている部分は意外とそこではないのかな、という気もしています。尿意そのものよりも「トイレに行きたい」とみんなの前で言わなければならない、そのことが苦痛なのではないでしょうか。

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 それがきっかけでいじめが起きたらどうしよう、そうでなくても、馬鹿にされたらどうしよう、好きな人の前でみっともない……いろいろなことを考えてしまうと思います。でも、一つだけ忘れてはならないのは、膀胱が勝手に収縮を始めるのは、あなたのせいではないということです。

 もし、「おまえ、頻尿かよ」などとからかわれたら、「オレの膀胱はやんちゃだからさ♡」とかわいく返してみるとか、ちょっと深刻そうに「オレ、膀胱が繊細過ぎるんだ……」と陰のある雰囲気で応じ、相手に「あっ、これは軽い気持ちでいじってはいけない問題だった」とうしろめたさを感じさせるように仕向けるのも手です。

 ともあれ、あなたのキャラに合わせて、良い返しの方法を5つくらい頭の中にストックしておけば、かなり気が楽になるのではないかと思います。

©iStock.com

 また、からかうようなことを言われた時、自分の弱みを自然な形で堂々と告白してしまうというのも悪くない方法です。「オレ、ガチで頻尿で困ってるんだよ」と、素直に言ってみると案外、「オレも実は……」と秘密を打ち明けてくれるかもしれない。弱みは、親しい友人を作るためにはとても使えるものなのです。

 弱みを堂々と人に伝えたり、自分のかわいらしさとして逆手にとってコミュニケーションに利用するというのは、慣れていないと最初は勇気が要ると思いますが、いい練習と思ってやってみてください。それに、トイレに行くのはむしろ健康な証拠です。我慢することが美徳とされるような昭和の時代でもない。

 あまり脳科学的なアドバイスではないかもしれません、ごめんなさい。でも、読んでくださっていることをとてもうれしく思います。「WOMAN」と名が付く雑誌ですが、これからも楽しみにしていてくださいね。そしてぜひ、その後どうなったか、また編集部にどうぞ送ってください。

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※最新回は発売中の「週刊文春WOMAN 2022年 創刊3周年記念号」に掲載中

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text:Atsuko Komine