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「うちの家族はまだ何も達成していない。全員これから」三浦知良が語る“54歳の自分”と“ふたりの息子”

2022/02/03
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――それはどういうタイミングで言ったのですか。

カズ ずっと言っていますよ。あの大晦日の試合が終わったあとの晩にも言ったし、元旦にも言ったし、一緒にご飯食べているときにも言いました。

 獠太も、孝太も、いますごく大事な時期だと思う。俳優をやっている獠太の場合、1日にして、あるいは1年でヒーローになる仕事じゃないんですよね。経験や場数が必要だし。でも、スポーツ選手の場合は、1日にしてヒーローとなりうる。特に、個人スポーツは。危険なところがあるんです。だから、獠太にも孝太にも、「コツコツとやるしかない、実績を少しずつ積んでいくしかない」と常に言っているんです。

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「僕が一番何をやらなきゃいけないかというと…」

――もうすぐ55歳ですが、カズ自身もいまだそのコツコツをまったく忘れていない。

カズ 肉体的な衰えはもちろんあるけど、メンタル的な衰えはまったくないですからね。練習を見ていればわかると思う。集中力とか、ひとつひとつのメニューへのこだわりとかは今も強い。気持ちは全然落ちてない。身体は当然、落ちているよね。55なんだから。若いときと一緒のわけはない。でも、それをなんとか、グラウンドに立てる状況にもっていくために、毎日、筋トレはじめいろいろなトレーニングをやっているわけです。

©関めぐみ

 ただ、僕が一番何をやらなきゃいけないかというと、サッカーなんです。サッカーをどういうふうにやっていくか。サッカーのために筋トレ、体幹トレーニングをどういうふうに取り入れていくか。とにかくトレーニング、身体補強、ケアとどんどん年とともに増えている作業を効率よくやっていくしかないんです。

 だから、1日の時間は本当に分刻みで動いていく。それもこれも、とにかく、試合に出るためのステップであり、アプローチなんです。いまはとにかく、1分でも長くピッチに立つため、自分なりに精一杯コツコツと準備をしているところです。僕も2人の息子と同じく、まだ気持ちの中では何も達成してないんですよ(笑)。

©関めぐみ
「うちの家族はまだ何も達成していない。全員これから」三浦知良が語る“54歳の自分”と“ふたりの息子”

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