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「数日後カズさんから連絡がありました」北澤豪だけが知る“三浦知良53歳、最年長出場記録の裏側”

2020/10/28

 ウィズコロナのなかで行なわれている2020年シーズンのJリーグで、前人未到の記録が誕生したことを、皆さんはご存じでしょうか。

 9月23日のJ1リーグで、横浜FCに所属する三浦知良選手、カズさんが、53歳6カ月でのリーグ戦出場を果たしたのです。Jリーグの最年長出場記録を更新するとともに、国内トップのリーグでプレーした記録として世界最年長とも言われています。

30年前のサンパウロで声をかけてもらった

 私とカズさんの出会いは、1990年までさかのぼります。本田技研工業サッカー部に所属していた私は、チームメイトとブラジルへサッカー留学しました。そこで、ブラジルでプロ選手になったカズさんに出会ったのです。カズさんはサッカーの神様ペレが在籍した名門サントスで、ウイングとして大活躍していました。

 試合の翌日にサンパウロの日本人街で会うと、「頑張れよ」と声をかけてもらいました。その後、私は日本へ戻り、カズさんは数カ月後にブラジルから帰国し、読売クラブの一員となります。

2017年のJ2開幕戦「横浜FC×松本山雅」試合前の練習風景 ©文藝春秋

 私が91年に日本サッカーリーグで得点王になり、同年に初めて日本代表に選出されました。カズさんとは日本代表とヴェルディでともにプレーし、公私を問わず様々な場面で30年以上ともに過ごしてきました。

 私は34歳で現役を引退しました。ですから、53歳まで現役を続けているカズさんの苦労を、実体験として知ることができません。

シーズン開幕前の自主トレは5時半から

 手掛かりになるものがあるとすれば、シーズン開幕前の自主トレです。15年前からの恒例で、私もほぼ毎年参加しています。

 これが本当に練習漬けなのです。朝5時半、9時半、午後3時からの3部練習で、練習量は毎年増えていきます。そうしないと、身体が作れないのです。

北澤豪氏

 だからといって、短時間に負荷をかけすぎると故障につながるので、以前なら10分でやっていたメニューを15分で、2回で終わらせていたメニューを3回に分けるといったように、時間をかけて消化するようにしています。そのぶんだけ合宿期間が長くなるので、当初は1月の1回だけでしたが、ここ数年は年末の12月から自主トレに入るようになりました。カズさんの場合は、シーズンオフはほとんどないと言ってもいいぐらいです。