まもなく51歳を迎えるカズは、今シーズンもピッチに立つべく、この数ヶ月、全身全霊でトレーニングに打ち込んできた。Jリーグ開幕を直前に控え、50歳のサッカープレーヤーは、新たなシーズンにいかに臨もうとしているのか。単独インタビューで迫った。
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――2月25日の開幕戦の翌日、51歳の誕生日を迎えるわけですが、いまの1年1年は、常人の1年とはまるで違う特別な重みを持っていることと思います。サッカープレーヤーとして、この年齢までプレーしてきて、まだ伸びる余地はあるのでしょうか?
「もちろん、あると思ってる。それを目標にやらないと、少しでもよくなるだろうと思ってやらないとやれないよね。去年よりダメだろう、マイナスになるなと思ったら、できない。このメニューをこなせば、去年よりきっとよくなる、と信じてやっているから。
ただ、現実はそんなには甘くないけどね。やはり20代の選手の持っているパワーはすごいから。走ること、持久力のパワーという部分ではいくら練習してもかなわないところは正直いってある。でも、サッカーはボールを使ったスポーツで、どう勝つかということだからね。そのために走って、技術を高めて、自分の経験を積んでいく、ということ」
「自分はまだまだ甘いし、弱さもあるし」
カズの新たな1年は、シーズンが終わるとほぼ同時に始まる。昨年12月9日には、早くも恒例のグアムでの自主トレに入り、1月にも同地で再度の自主トレを行っている。他の選手がほっと一息ついているシーズンオフに、トレーニングを早々にスタートさせているのだ。50歳のプロサッカー選手には、いまやシーズン前の「暖機運転」は欠かせない。身体のケアにしても、常にトレーナーを同行し、徹底した管理を行っている。それでも、レギュラーの座をつかむことは年々難しくなってきている。
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――昨年の12試合出場(452分)、1ゴールという成績はご自身でどう評価していますか。
「出場試合数とか、ゴール数というのは、この3年間で去年が一番少なかったし、自分でも不甲斐ないと思う。ただ、目一杯やった中での結果だしね。レアンドロのようないい選手が試合に出るのは当然だと思うし、そういういい目標、見本がいるわけだから、それに勝つようにやるしかないといまは思ってる。自分はまだまだ甘いし、弱さもあるし、そういうのを克服するために、グアムでの自主トレもやっているわけだから」