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野宮真貴×速水健朗×おぐらりゅうじ#3 「おしゃれはほどほどでいい」のメンズ版が知りたい!

「速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである」

note

「息子の学校に着ていく服装だけは迷いました」

おぐら カジュアルのほかに、野宮さんが似合わなかったファッションってあるんですか?

速水 それは聞きたい。

野宮 衣装に関しては何でも着こなす自信だけはありました。でも、息子の学校に着ていく服装だけは迷いました。なに着て行ったらいいのか全然わからなくて。

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速水 今日みたいな服装じゃダメなんですか?

野宮 これで学校は行けませんよ(笑)。

速水 そうか、お母さんファッションっていうのがあるんですね。

おぐら ほかのお母さん方はどんな格好して学校に行くんですか?

 

野宮 たとえば紺のスーツ上下とか。そういうコンサバなものをオシャレに着こなすにはどうしたらいいんだろうって。オシャレは自分らしさの表現だから、私の場合はコンサバなものには反映にしくいのでしょうね。さきほどのキッチュ、な要素は全く無いですから。

速水 野宮さんが着るとコスプレになっちゃいそうですね。PTAのコスプレ(笑)。

野宮 バスガイドは大丈夫なのに(笑)。

「土井善晴さんの本に救われました」

おぐら あと本の中では「オシャレの想像力は働くけど、料理にはまったく働かない」と。あれで救われる人の数は計り知れませんよ。

野宮 前にジェーン・スーさんと対談したときに「そもそも自分に似合うものがわからない」とおっしゃっていて。おそらくそれは苦手意識があるからだと思うんですけど、私の場合は料理がまさにそうなんです。それで初めてオシャレが苦手な人の気持ちがわかったというか。母が料理得意だったのも私にはプレッシャーで。

 そんなときに料理研究家の土井善晴さんの本『一汁一菜でよいという提案』を読んで救われました。毎日の基本の食事は、ご飯、具だくさん味噌汁、お漬物で十分という。そこに時々お刺身やお肉をプラスすればいいって。それまでは食卓に何品もおかずが並んでいないといけないと思っていたので。しかも、お味噌汁は出汁もとらなくていい。味噌も濃い日もあれば薄い日もある、それも味わいだからって。目からうろこでした。それでファッションを『一汁一菜』にたとえて本の中では書きました。