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「実はピチカートで一番忙しかった時期に結婚も出産もしてるんです」

おぐら ピチカート時代はプライベートのことはほとんど話さなかったのに、いまはお子さんのことや私生活のことも公開しているのは、なにかきっかけがあったんですか?

野宮 ピチカート時代は生活感すらなかったですからね。お味噌汁の話は求められてなかった(笑)。

速水 たしかに求めてない(笑)。子育て日記を書くようなキャラクターでもなかったですし。

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野宮 実はピチカートで一番忙しかった時期に結婚も出産もしてるんです。楽屋の着飾った母親の隣で息子が遊んでたりしていました(笑)。

 

おぐら 年齢についても、本の中では「超越する」と。年齢は受け入れるのでも、抗うのでもなく、超越するのですって。あれは感動しました。

野宮 ピチカートの10年間は年齢も非公開だったんです。実際は入った時点で30歳だったんですけど、もはやそういうことは関係なかったんですよね。年齢どころか、国籍とかも超えていたので。だから私にとっては30代がすっぽり抜けているような感覚があって。そのせいで普通の50代よりも気が若いのかもしれません。

老眼鏡もエレガントに使えばオシャレアイテムになる

速水 最近、老眼鏡をプロデュースしたと聞きましたが。

野宮 そうなんです。やっぱり40代の後半になったころから、小さい字が見えにくいなと思うようになって。顔のシミやシワは隠せても、目が見えないのはごまかせない(笑)。それがすごいショックで。でもそんなときに、あるお食事会で女優さんがスッと老眼鏡を出してメニューを見ていて、その姿がとても素敵だったんです。そうか、老眼鏡でもエレガントに使えばオシャレアイテムになるんだって。それで我慢して眉間にシワを寄せてメニューを見るよりも、私も老眼鏡を作ろうって思いました。

おぐら その作るっていうのがオーダーするとかではなく、ゼロから作っちゃうのが野宮真貴ですね(笑)。

キャットアイタイプのBIJIN READING GLASSES ©JINS

野宮 たまたまご縁がありましたので。私がプロデュースしたのは、老眼鏡に見えない、かけるとより美人になる老眼鏡です。そもそも老眼鏡という名前がよくないので、私は「リーディンググラス」と呼んでいます。赤い口紅「サプリルージュ」もそうですが、自分が欲しいと思うものしか作らない、というのが基本なんです。オシャレな老眼鏡を私がプロデュースすることで、「老化する」のはでなくて「成熟する」という価値観を作りたいという気持ちもありましたし。日本の女性には美しく歳を重ねて欲しいと思うんです。

速水 こっちのは折りたたみタイプですね。

野宮 エレガントでしょう。これが一番作りたかったんですけど、デザインもマニアックですし、手作りなので大量生産はできないので限定品です。他にもボストンやウェリントン、キャットアイのタイプも作りました。

おぐら キャットアイの老眼鏡! それは素敵ですね。

野宮 老眼になって初めてわかることなんですけど、老眼鏡は1個では足りないんですよ。カバンの中に1つ、そして各部屋にも1つずつほしい。老眼鏡にはまだ早いという方は、お母さまのプレゼントすると喜ばれますし、義理のお母さまにプレゼントするとポイント上がります。

速水 いま野宮さんがこういった生活感のある話をすることで、ピチカート時代からのファンで喜ぶ人は多いでしょうね。

おぐら フェーズは変われども、ずーっと憧れの対象であり続けるって、すごいことですよ。そこには変わらない思想があるからこそ、できることだと思います。

野宮 ありがとうございます。これからも超越した存在であり続けられたらいいですね。

INFORMATION

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