2月4日に開幕した北京五輪。熱戦が繰り広げられる中、4年前、日本中にブームを起こしたあのチームが、2月10日に登場する。カーリング女子日本代表、「ロコ・ソラーレ」だ。

 4年前——平昌五輪のときのことを覚えている方も多いかもしれない。男女を通じて日本カーリング史上初の表彰台となる銅メダルを獲得した活躍とともに、チームは予選リーグから試合を重ねるごとに、大きな注目を集めるようになっていった。試合中盤の休憩時間に軽食をとる光景は「もぐもぐタイム」として特集されるまでになった。

2/10にオリンピック初戦を迎えるロコ・ソラーレ ©AFLO

 そんな競技外の情景も含め、話題をさらった要因は、選手たちのとびっきりの明るさにあった。試合前から試合中まで絶えることのない笑顔。活発なコミュニケーションは、カーリングの他のどのチームと比べても格段だった。

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 いやカーリングという枠におさまらない、太陽のような明るさを観たくて、中継にチャンネルを合わせた人も多かったという。

「笑うということは、諦めないという決意」

 そんな魅力を秘めたチームとなった下地は、長年にわたって培ったチームとしてのまとまりにある。ときにリザーブとも紹介される「フィフス」は平昌時の本橋麻里から石崎琴美にかわったが、氷上に上がる4人は同じメンバーだ。そして4人全員が北見市出身である。

 しかもサードの吉田知那美とリードの夕梨花の姉妹、セカンドの鈴木夕湖の3人は、小学生時代から北見市常呂町の同じチームでプレーしていた仲間である。

話題になった「もぐもぐタイム」は健在 ©AFLO

 吉田知那美と鈴木は30歳、夕梨花は28歳。異なるチームでプレーしていた時期もあるが、それを踏まえても、小学生の頃からどれだけ長い時間を一緒に過ごしてきたかが分かる。そんな年月が土台となったチームワークとともに、ロコ・ソラーレの魅力を生み出すのは、個々のキャラクターの強さだ。

 チームカラーの象徴とも言える吉田知那美は、座右の銘を「笑うということは、諦めないという決意」としているように、笑顔を絶やさずチームを鼓舞する。その明るさに惹かれるのは世界共通。海外のメディアからも好感を持たれ、国際大会では流ちょうな英語で取材に応じることも珍しくない。ときにインタビュアーも釣り込まれて笑顔になっていることすらある。

 そんな笑顔の裏には、苦労もあった。知那美は2014年のソチ五輪に、当時所属していた北海道銀行の一員として出場している。レギュラーだった選手がインフルエンザにより出られない試合では代役を務め、穴を埋める、いやそれ以上の活躍を見せた。