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初めてのキスは夜の公園で…

――お付き合いを始めてからはいかがでしょうか。

白鳥 お互いキスの仕方もデートの誘い方もわからず……。私は小さい頃から少女漫画が好きでよく読んでいたので、ある程度知っていましたけど、チェリーさんは、大人のビデオの情報しかないんです。初めてのキスは夜の公園で、ソフトなキスかと思って目を閉じていたら口の周りをベロベロ舐めまわしてくるんですよ。

 ニッチェの近藤さんにそのことを相談したら、飲み会で「お前のしたいキスが久美子のしたいキスと思うな!」とチェリーさんに大説教してくれて。それで目が覚めたのかチェリーさんがいろんなことを勉強してくれたんですよ。お互い初めてだったから、気が楽だったかもしれないです。「しょうがないよね、だって私たち知らないもん」みたいな。恥をさらけ出して一から学んでいきましたね。

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©鈴木七絵/文藝春秋

プロポーズされずに3年、痺れを切らして「結婚とか考えてる?」

――お付き合いを始めた時には、結婚したいという気持ちが?

白鳥 付き合った時には30代半ばだったので、チェリーさんとは結婚を前提にと思っていたんですけど、なかなかプロポーズされなくて。

 お互い初めての相手と結婚ってどうなんだろうとか、もう少し他の相手も見るべきなのか、と思う気持ちもあったんですけど、歳も歳だったし、子どもも欲しかったので、そんなこと言ってられないですし。それにチェリーさん以上に素敵な方はいないだろうなって。チェリーさんもたぶん結婚について、頭でちらついていたとは思うんですけど、そこまで真剣には考えていなかったんでしょうね。

――白鳥さんは早くからプロポーズを待っていたと。

白鳥 かなり待ちましたよ。付き合って3年くらい経った時に、痺れを切らして、「結婚とか考えてる? もし何も考えていないんだったらはっきり言ってほしい。そしたら私もどうするか考えるから」って言いました。私も30代後半で、焦っていたんですよね。

 そしたらチェリーさんが、「うえーんごめ~ん」って泣きながら謝ってきて。チェリーさんはお金がネックだったみたいです。あの頃は全然稼げていなかったので。

「格差婚」とか言われることもあるじゃないですか。チェリーさんは九州男児なので、「俺が養わないと」という気持ちが人一倍強いので、それが嫌だったんでしょうね。

 でも、私はお金の部分は全く気にしていなかったんです。付き合っている時から、半同棲をしていたので、「毎月2人で暮らすとこのくらいかかる」ってのがなんとなくわかっていたし、贅沢しなければ私の稼ぎでなんとかなるって思ったんですよ。もし難しければ、福島に帰って農業をやることもできるしって。だから私は「お金のことはいいから心配するな」って言い切っていました。

©鈴木七絵/文藝春秋

 それで24時間テレビのあのプロポーズです。嬉しかったですよ。なんとなく私はあっち側の人間にはなれないって自分で決めつけていたんです。私は不幸がデフォルトの人生だからって。芸人になった時に、結婚することは諦めたはずなんですけど、気づいたらどっちも手に入れている。自分で自分の生き方を狭くしていたんでしょうね。