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維新・遠藤敬国対委員長が代表理事 「秋田犬保存会」に一般社団法人法違反の疑い

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遠藤氏に近しい人の犬を、T氏が上位に

 昨年12月5日に開催された第144回本部展では、壮犬牝部門や成犬牝部門の審査を担当していた佐野氏。だが、壮犬牝部門でT氏が1席に指定したのは、担当審査員である佐野氏が上位グループには置いていない犬だった。

「逆に私が上位に置いた犬は『(良くないとされる)耳さしが深い犬や』と外されました。しかし、その後の審査部会で10名以上の審査員にその犬の写真明無しに送ると、T部長も含め全員『深くない』と回答した。もう一方の成犬牝部門でも合議のないまま、私が下位グループと判断していた犬を3席に押し上げました」

佐野氏の審査表

 T氏が押し上げたのは、遠藤氏が繁殖した犬を育てている人や、昔からの知人が、ハンドラー(犬を引く役割)を務めている犬だった。

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 この本部展の審査について、審査員を務めた7人のうち4人が、「週刊文春」の取材に応じ、「合議もなく、充分な審査ができなかった」と認めた。

 保存会の定款には〈審査員は、本会で定めた『秋田犬標準』を遵守し、公平・公正な審査をする〉と記されている。佐野氏は審査を巡る問題を今年1月16日の審査部会で提起したものの、執行部が前向きな対応を示すことはなかったという。

 内閣府公益認定等委員会は以下のように回答した。

「定款が遵守されなければ、一般社団法人法違反です。是正されなければ公益認定取り消しもあり得ます」

 秋田犬保存会は主に以下のように回答した。

「(不公平な審査は)事実無根です。仮に指摘の不公平な審査が行われた場合、当会審査部服務規程違反で処罰の対象になるため、顧問弁護士に相談の上、所定の手続きにより各人に対して聞き取り調査を行う予定ですが、取り急ぎT部長(回答では実名)に確認したところ、不公平な審査は行っていないとのことです。よって、当会は当会定款、一般社団法人法、公益財団(ママ)法人法に違反する行為を行っていないと考えております」

 遠藤氏に話を聞いた。