日本維新の会の池下卓衆院議員(46)が、自身の父親から地元事務所の無償提供を受けているにもかかわらず、政治資金収支報告書に記載していないことが「週刊文春」の取材でわかった。政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。
さらに、この不記載は、父親から個人献金の上限を超えた寄附となる可能性が高く、別の政治資金規正法違反(同一の者に対する寄附の制限)の疑いもある。
2011年から大阪府議を3期11年務めた池下氏。昨年10月の衆院選で大阪10区から出馬し、初当選を果たした。
「下馬評では、立憲民主党の辻元清美氏が優勢でしたが、人気者の吉村洋文府知事も応援に駆け付け、小選挙区で勝利。辻元氏に比例復活も許しませんでした」(府政担当記者)
当選直後からNHK「日曜討論」に出演。「任期1日で100万円出る。世間の常識では考えられない」などと述べ、いわゆる文書通信費問題の火付け役になった。
その池下氏の政治団体「池下卓後援会」の収支報告書によれば、元高槻市議会議長の父・節夫氏が2017年から2020年にかけ、個人献金の上限額である150万円を毎年寄附。さらに、池下氏は池下卓後援会や、自身が代表の政党支部「日本維新の会高槻三島支部」の事務所を、節夫氏が所有する自宅敷地内(土地の一部は池下氏の母が所有)に置いてきた。
「節夫氏の市議時代からスピーカーなど選挙グッズが置かれ、10名ほどの会合もできる事務所です」(地元関係者)
周辺相場を考えると、家賃は月4~5万円程度と見られる。ところが、府議時代の池下卓後援会の収支報告書には家賃名目の支出が見当たらない。
政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「事務所の無償提供を受けた場合、賃料相当分を時価換算して収支報告書に記載する義務がある。記載がなければ、政治資金規正法違反(不記載)になります」