「密室に2人きりの状態で、もう後戻りはできないんだと恐怖を覚えました。その一方で、求められることをちゃんとこなさなければ、と。ここで誘いを断れば、もう芸能界で頑張っていくことができなくなってしまうかもしれない。実家の住所も教えてしまっているので、親にバレることがあるかもしれませんし……」
A子さんは《大川》にされるがまま、時間が経つのをただ待った。A子さんの服を脱がせた《大川》は、裸体に手をのばしてきたという。
「私の身体を触ったあと、『《ヒロさん》のもしてくれる？』と。《ヒロさん》は『パイプカットしてるからあまり匂いがしないかも』などと話して、避妊具をつけずに性行為に至りました。服を脱いでからそこまでで10分ほどでしょうか。すぐに終わったことが救いでした」
行為後、《大川》は「《ヒロさん》の紹介で無料のエステを受けられるからね」などといった話をして、朝の4時頃に「撮影があるから」とホテルを出て行った。
高級ブランドで“ショッピング”《予算は500万円くらい》
翌日からは主に電話でやりとりし、再び12月21日に会う約束をした。この日は、朝9時に銀座にあるホテルにチェックインし、そのまま銀座で買い物へ出るスケジュールだった。
「ホテル予約の際、《ヒロさん》から博報堂のサイトから予約すると安くなるからと、私のクレジットカード番号を聞かれました。それで疑うこともせずに教えてしまって……。私のカードから代金が引き落とされました。後々、クレジットカードの明細を見て分かったのですが、博報堂のサイトではなく、一般的なホテル予約サイトから予約をしていたようでした」
ホテル代金は4万円程度だったという。しかし待ち合わせの時間になっても《大川》は現れない。すると、9時過ぎにメールで連絡があった。
《撮影押してて遅れそうだから先に部屋に入ってて。あと、1月3日からHawaiiに一緒に行きますか？》
A子さんが部屋で1人待っていると、また11時30分過ぎに《大川》からメールがあったという。
「《撮影が終わらないから、好きなブランドで買い物をして銀行振り込みでお願いすれば大丈夫。予算は500万円くらい》といった連絡がありました。私は1人で銀座のCHANELなどのブランド店を回り、全て銀行振込で商品を取り置きしてもらいました」
A子さんは高級ブランド店での“ショッピング”に浮足立っていた。そこへまた、《大川》から連絡があったのだ。
「《ヒロさん》から、『いま使っている携帯は会社用だから、A子と連絡を取るための携帯を契約しておいてほしい。代金の引き落としはA子の口座にしてほしい』と言われました。『50ギガの電話かけ放題プランで、本体はiPhone13で』という指定でした。これから2500万円が振り込まれるわけだし、と納得して言われるがままに契約したんです。その後、ホテルへと戻りました」
「文春オンライン」特集班
長田 昭二
柳川 悠二
